第11話 苦手な人、そうじゃない人
グレゴールはニューポート市にいた。
重傷を負った彼は屋敷から逃げ出し、肌身離さず持ている緊急ポーションで傷を治療した。
そのまま寄り合い馬車に乗って、当然料金は踏み倒し、隣の都市までたどり着いた。
そしていま。
彼は町の中心にある領主の館の一室にいた。客室でだされた高価な酒を飲み、ようやく恐怖を洗い流していた。
グレゴールの姉は領主の妻だった。
そのおかげで彼もフリーパスで館に入れる。今や彼は復讐に燃えて、領主との拝謁する機会を待っていた。
「待っていろよ、小娘が……!」
領主に呼び出されたとき、グレゴールはすっかり酔っぱらっていたが、最低限の礼節は覚えていた。
黄金で縁取りされた椅子に、領主が座っている。
茶色く長い顎髭を生やした壮年の男は、グレゴールと同じく酒気を帯びて、鼻のあたりが赤かった。
領主ライモンドの前で、グレゴールはゆっくりと頭を上げた。彼とは旧知の中である。失態も忘れて饒舌に語った。
「おお兄上。わが身に降りかかった不幸をお聞き届けくださり、恐悦至極に存じます。この卑小な身なれど、謁見に値する愉快な話をば、語れること間違いなしと存じまする」
「で、どうした。おまえが私を訪ねてくるとは、何か厄介ごとが起こったのか?」
ライモンドは立派なひげを手でしごいている。
肉厚な身体と黒い目は、見つめると権力の偉大さを発散させていた。
「ははぁ、実はと申しますと──」
グレゴールは語った。
ポーション店で見染めた女を家に連れて帰ったが、それは魔法使いが偽装していた強盗で、従者が殺され、地下に隠した魔物もおそらくばれてしまった。
卑怯な妨害により、治安を不安定にする役目が果たせなかった、と。
「と、いうわけでございます。どうがわが身をお救いください。そして復讐の機会をお与えくだされば、この魂に誓って生涯の忠誠をつくします」
「ふむ。我が妻テレサには世話になっている。その弟が身を投げ出して助力を乞うならば、助けてやらねばならんだろうな」
「ははぁー!」
「ひとまず下がれ。おって沙汰は伝えよう」
「ありがたき幸せ。天地神明にちかって──」
「よい、よい」
領主のライモンドは手を振って、グレゴールを下がらせた。彼が退出すると、窓の近くに立っていた家令と、腹心の騎士がライモンドの玉座にやってきた。
「あの男は相変わらず、自分の面倒もみきれておらん。だが、興味深い話でしたな」
「──旦那様、おそらくきゃつが連れ込もうとした女とは、特徴を聞くに探している女で間違いないと存じます」
二人の意見に、ライモンドは鷹揚に頷いた。
「まったく……グレゴールが殺してくれれば、手間がかからなかったものを」
「あれの使い魔は強力です。つまらぬ暗殺者はともかく、我が部下が監視に送り込んだ小悪魔も退けました」
「あれはよくなかったな。一日でやられてしまったではないか」
「恥じ入るばかりです」
「気にするな。挽回すればよい」
「はっ……」
騎士の顔は恥辱に歪んでいた。主人であるライモンドに気遣われ、彼の自負心は恥をかかされたと思っていた。
「ならず者ではダメか。さりとて我が手勢を送り込んでは、露見した時に問題がでような」
「閣下、しばらくは訓練期間をいただきたく存じます。やはり1から手勢を作り上げれば、結果的に確実で、はやくなるかと存じます」
「うむ」
ライモンドは立派な髭をしごいた。まだ時間には余裕がある。ならば部下の提言に従うべきだ。
ライモンドは自分の能力を信頼していない。彼にあるのは放蕩の才能と、部下に仕事を任せる器量だった。
専門職に任せるべき点は、任せればいいのだ。
「よかろう。お前の思う通りに進めるがよい」
「ははぁ」
それが寛容にうつるなら、ライモンドはいくらでも責任を取ってやった。
騎士が深く頭を下げた。
#
テラノヴァは都市で過ごすうち、苦手な人とそうでない人ができ始めた。
人気のない早朝の時間、魔術ギルドを訪れたテラノヴァは、苦手な相手のまえにいた。
悪魔の受付嬢は、テラノヴァが入り口にいるときから、じっとりとした視線で見つめていた。つまらなさそうに頬杖をつきながら、しかし視線にはどこか熱がこもっている。
受付の前に立った時も、その甘い体臭が不気味に感じられた。
「あ、あの、すみません、質問があります……」
「なに?」
「師匠の家を買い戻したいです。あの、すぐにじゃないですけど、いつかそうしたいと思ってます。だから家の値段を、教えてください……」
「……きゅぅ~」
なぜか悪魔の受付嬢は、奇妙な高い声を出した。
子供が泣くときの予兆のような……。彼女は目を潤ませ、ほほを上気させていた。
「はぁぁぁ……すぐ書類を持ってくるから。そこにいて」
「は、はぁ……」
「すぅぐ、もどるからねぇぇ」
今にも涎がこぼれそうな、ねちゃついた活舌だった。
仕事中にまで喜色を溢れさせている様子に、テラノヴァは何か良いことでもあったのかと想像したが、薄笑いを浮かべた悪魔の少女は不気味だった。
彼女はすぐに戻ってきた。
魔法でとじられた巻物を強引に外し──このとき空気中に静電気がバチバチと走り、紫煙があがった──異臭に顔をしかめたテラノヴァをみて、さらに深く笑った。
「まあ座んなよ。あのね、小人たちは金貨500枚でね、あんたの師匠の家を買ってるよ」
「500枚」
黄変した羊皮紙には、魔法文字で確かにそう書かれていた。所有者の名前も、権利を保障する領主の判もあった。
安くもないが、高くもない。
ただ今の日当で買うならば、最低でも2年はかかるだろう。あるいは工房に借金を頼めば、すぐに買い戻せるかもしれない。
「500枚ですね……!」
テラノヴァは、決意のこもった語気で言った。
そう、溜められない額ではない。もっと仕事を頑張り、お金をためれば元の生活に戻れる。
甘い希望の蜜が天から垂れてきた。
「あーまって、まぁだ話の途中だよ。小人たちから買い戻すなら、向こうの希望の金額を払わないとだめだからね。これがその書類」
「……」
「お値段は5000枚だって。あんた、かなり吹っ掛けられたね」
「ごせ……えぇー」
いきなり十倍になった価格を見て、テラノヴァは受付の机に身を乗り出して、じっと数字を見た。
間違いなくそう書いてある。指で数えてみてもそうだった。
この値段は売る気はないのと同等だった、
「ま、諦めるんだね。あんたならできるなんて言わないよ。足るのを知るのも立派な勉強さ。私だったら諦めないけど、絶対に取り返すけど! でもあんたは諦めたほうがいいよ。できっこないんだからさ」
「ぐぅぅ」
「えへへへ」
テラノヴァは閉口し、悪魔の受付嬢は涎をぬぐった。
棘のある言葉と、圧倒的な現実をぶつけられて、テラノヴァは涙目になった。
正確には泣いてはいけないと自制して、悲しみを押しとどめようとしたのだが、感情が勝ってしまった。
それをみていた悪魔の受付嬢は、感極まって嬉しそうに赤い目を細めた。
「少し、待ってください……」
「いいよ」
そっと涙をぬぐうテラノヴァを、受付嬢は恋人を見守るように、優しく待っていた。
やはりこの人間はいたぶりがいがある。もっと泣いてほしい。
大事に大事に心を傷つけて、絶望してほしい。
魂を濁らせ、堕落させ、めちゃくちゃになってほしい。
受付嬢は無意識に、尻尾の先端がハートになっていた。それを太ももに巻き付けて、愉悦に震える身体で興奮を表していた。
テラノヴァはそんな悪魔の発情も知らずに、真剣な顔に戻った。
「お待たせしました。ご、ごせんまいを稼げば、うちに帰れますか?」
「だーから、わかんないってば。相手に売る気がないんだから、用意したところで値上げされるかも。悪いことは言わないから諦めなよ。私だったら諦めないけど」
「わ、わたし、どうすれば……」
「聞かれても困るし。私がお金を稼げるお店を教えてあげようか? 何なら私があんたを買ってもいいよ。爪を全部はがさせてくれたら、金貨200枚くらいなら──」
「いやです……」
「どうして? どうしてもいや? いや? いいよって言ってくれない?」
「言いません……」
「じゃあどうすんの。たくさんお金を積まないと、あんたの師匠の家は帰ってこないんだよ。お金を稼ぐあてはあるの?」
「……」
「あるの? ないの?」
「……ぐうう」
「はぁー、だから、ね。爪でいいから。ね。足の爪でいいんだよ? ただ痛がってくれたらいいから。これ聞かれるとやばいけどさ、どうしても痛がってほしいからわざわざ言ってるんだよ。ね、あたしの言うことを聞いてみよ。一回だけでいいから、一回だけ、一回だけだからさ」
「絶対──いやです」
「そう、嫌なんだ。断るんだ。はぁ……はぁ……じゃあ、別のお仕事を紹介しよっか」
ユニセックスな見た目をした悪魔の受付嬢は、外見年齢が少女でなければ許されない言動だった。しかしその愉悦を湛えた唇の震えは、明らかにサキュバスの一員であると見えた。
テラノヴァは昼過ぎに解放された。
明らかに業務を浸食する勢いで、奇妙で危険な仕事ばかり紹介された。
いくら断ってもめげず、やる気を煽りつつ、気持ちを萎えさせる言葉を言われた。
昼に出勤した彼女の同僚が、毒で止めてくれなければ、延々と続いていただろう。
時間を使わせたわびとして、悪魔の一部を持っていっていいと言われたので、テラノヴァは犬歯を一本もらった。
「ふぎゃー!」
手で手前に折ると、悪魔の受付嬢は悲鳴を上げた。しかし涙目になりながら、口もとは笑っていた。苦痛を与えるのも、与えられるのも、彼女は好きなのだろう。
「ま、また来て。絶対ね」
「……」
結論としては金貨5000枚がゆるぎない事実として残った。
「5000枚……」
果てしない金額だった。
強盗から奪った財布と、金貸しホームレスの先輩から奪ったカネと証文、工房での給金、それらをすべて足しても、5000枚どころか500枚にも及ばない。
「やっぱりむり……なのかな」
気力のないつぶやきは、雑踏の音に打ち消されて泡と消えた。
それからの一か月は、金貨を念頭に仕事に励んだ。
書類を書き、希少素材をすりつぶし、ポーションの調合と精錬に勤める。
早く仕事を終えて、お金稼ぎの方法を思案するが、社会経験が少ないので思いつかなかった。
ただ、よい副作用があった。
テラノヴァは人付き合いが苦手で、職場での人間関係も当然嫌だった。
仕事でトラブルが起こった場合、まれに大声で言い合いになると、それだけで委縮した。
しかし最近、工房の雰囲気がよくなっていた。
詰まっていた仕事の予定を、個人のパワーで解消したテラノヴァは、職人たちから感謝された。
夜遅くまで働いても日当が変わらないので、少しでも早く仕事を終えさせてくれる存在はよろこばれる。
職場が良い雰囲気になると、テラノヴァも不思議と過ごしやすく感じた。
古参の職人は楽になったと感謝し、将来の独立を目指している若手からは、有望なパートナー候補として一目を置かれた。
ある職人は、テラノヴァの作業風景は絵になるといった。
魔力を使って集中力が必要な作業を、テラノヴァはのんびりを手をかざしながら、まるで気負わずにこなしていた。
作業をしながら、工房の外の往来を眺めている仕草は、圧倒的な技術に裏打ちされた余裕に見えた。
単にテラノヴァが作業をしながら、空想の世界に浸っているだけだったのだが、外から見れば優雅な光景に見えていた。
ニコラス一家との付き合いも、苦手ではなくなった。
夕方になると、食費と生活費を抜いた日当が払われる。テラノヴァはその金で上質な羊皮紙を買った。
また暴漢が工房を訪れるかもしれない。
そのとき、お世話になっている一家と、コラリアを守る役目は自分だと思っていた。
護身用のスクロールが必要だった。
炎の壁で距離を作る精霊魔法である。
簡単な構文で作れるが、構成する文章を増やして魔力を余剰に込めれば、持続時間を上げられる。
「……」
テラノヴァは食事を終えた後のリビングで、文字を学ぶ子供たちと一緒に座って、スクロールを作っていた。
机に向かい、流れるようにように魔法文字を書いてゆくすがたは、一種の熟練者が出す美しさを持っている。
10歳のデニス少年はその姿をそっと見ていた。
弟と一緒に勉強をしていたのだが、魔法文字を覚える時間よりも、テラノヴァの顔を見ている時間のほうが長かった。
(やっぱりすごい魔導士なんだ……)
グレゴールを追い払った日から、憧憬はますます強まっていた。
彼にとってテラノヴァは、ひと目見たときから尊敬できる人物だ。
神秘的で、かわいい。
仕事はできるし、悪党に襲われても平然と帰ってくる。
大人しく文字を書いているだけでも、知識と魔法力が詰まった偉大な人物に見えていた。
たんなる引きこもりで、永遠に怠惰な生活を望んでいるテラノヴァの真意を、デニスは知らない。
物語に耽溺して、その主人公になり切り、簡単に人を殺す性分も知らない。
休日さえも魔導の探求にささげていると見えていた。
デニスにとってはその能力の高さが好ましく。話しかけると控えめに答えてくれる奥ゆかしさが好ましかった。
「この変格がわかりません」
声が聞きたくてわざと質問しても、嫌な顔をせずに答えてくれる。
「これは、魔法名詞だから冠詞が変わって変化して……影形になります」
職人たちとは違う丁寧な言葉遣いも心地いい。
以前はつまらなかった学習の時間が、今では楽しみになっていた。
さらに一か月がたった。
魔道具にお金がかかり、金貨はなかなかたまらない。
欲望をさらに抑える必要があった。
ニコラスやノエルが食事に連れ出そうとしても、演劇などの遊興施設に誘われても、あらゆる誘いを断っていた。
お金を出すと言われても行かなかったが、これは引きこもりたいからである。
時々、少し行ってもいいかもしれないと思ったが、一度気が緩んでしまうと、なし崩し的に気が緩み、目標が遠ざかると理由をつけて断った。
この日も、店舗の親睦会が開かれ、ニコラス一家に誘われた。
「ねえ、いかないの?」
よそいきの格好をしたウォーレンが、袖を引っ張っている。テラノヴァは苦笑して頭をなでた。
「まだお仕事があります。いってらっしゃい」
「ねえいこうよ。《ゴメズのメイズキッチン》のお菓子は美味しいんだよ。お姉ちゃんの好きな果物もいっぱいあるよ」
「う……」
「ブラックサポテとか、ユゴニオ葡萄とか、それから、それから、スターアップルとか、すごくおいしいんだよ。ねえ、いこう、いーこーうー!」
「ぐうう……」
テラノヴァは心が揺れた。フルーツバット並みに果物を主食にしていたテラノヴァは、都市の食事が合わなかった。
栄養という概念は知られていないが、腹を満たすために食べる食事で、身体は維持されている。
塩味をした豆のスープも、時々出る豚肉も、みっしりとつまったパンも、健康維持の点では悪くない。
しかし嗜好という点では飢えていた。
イドリーブ市に来てから食べた果物は、市場で買った星座サクランボだけだった。
それからはひとかけらも食べていない。
甘未には中毒性があった。テラノヴァは甘みを思い出して唾液がわいた。
食べられるなら、行ってもいいかもしれない。
「じゃ、じゃあ私も──」
「おーい、出発するぞ! もう降りてこい」
「……はぁい。それじゃ行ってくるね!」
行こうと思ったときに、梯子が外された。
ウォーレンは階下に降りていった。所在なさげに手をだしていたテラノヴァは、何度か空気を握った後、布団に潜り込んだ。
「ううううう……」
脳が甘未を欲していた。
数時間後。
ニコラス一家がもどってきた。軽快な声は、夜中までたっぷり楽しんだ充実感で満ちていた。
おいしい食事、楽しい会話、酒盛り──テラノヴァが参加していれば、おそらく途中で気疲れして倒れてしまう予定だったが、布団の中にいたため、ただ甘未を食べてきただけだと思っている。
瞑想筆記していたテラノヴァは、その楽し気な声をきいて、食べ損ねた果物を思い出してしまった。
「うぅ……」
軽い足音が2組、階段を上がってくる。扉が開いた。
「ただいま。お土産もってきたよ」
「お菓子です。おいしいですよ」
兄弟が部屋に入ってきた。
なにやら甘い香りのする包みを持っている。テラノヴァは布団から頭だけを出してそちらをみた。ペンの空中制動に力を使っていたため、やや定まらない目つきをしていた。
「どうぞ、果物のパイです。父が持って帰ってやれって言ってました」
「おいしかったよ!」
テラノヴァはのそのそと立ち上がった。リヴァーマイマイの歩みでのそのそと歩き、差し出された紙袋を受け取った。
甘い香りがする。開けると黄色、黒、ピンクのベリーがぎっしりと乗った焼き菓子が出てきた。
小麦色のパイからはバターの香りもした。白い粉砂糖も振ってある。
「あ、ありがとう……大切に食べます」
「い、いえ……お礼は父に言ってください」
「こんどは一緒に行こう」
テラノヴァが頷くと、兄弟は去っていった。まだ元気な話声が廊下から聞こえた。
パイはまだほのかに暖かかった。
甘い匂いが鼻孔をくすぐる。
パンの匂いで、テラノヴァは突然、森の家にいるころを思い出した。
家の中の光景がくっきりと浮かんだ。
師匠に甘えていただけの子供のころが、べったりと頭のなかに張り付いた。その憧憬が頭を離れない。
師匠と一緒に勉強しているだけで、楽しかった。あの時は幸せを感じていた。
「……あれ?」
テラノヴァは何やら暖かいものがほほを流れていると気づいた。ぬぐってみると、目から涙がこぼれていた。
「変なの。何もない日なのに……」
とめどなく涙がこぼれた。
「嬉しいのに」
テラノヴァは泣き笑いしながらパイを食べた。
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