第5話 天使の真意

 リンは使用人に監視させながら一日中リーフを色々とこき使ってやるつもりでいた。

 しかし、分かったのはリーフはあらゆる家事がてんで駄目だということだけだった。


 昨夜の惨状然り料理はできない、洗濯板の使い方も分からない、針仕事も然り、草抜きすら根っこを残すド下手という有様だった。


 身軽さだけはずば抜けていて、屋敷の外壁をひょいひょいと登ってみせた。そのため、リーフは一日かけて屋敷中の屋根と窓を磨きあげる羽目になった。

 屋敷の上に立つ見慣れない人影に、森のヒメヤツハオオカミもちょくちょく野次馬に集まってきた。



「あの危なっかしい手つきから察するに、相当高貴な生まれだったんでしょうね」


 使用人がリンに報告した内容はあまりにも明け透けだった。


 夕食の下準備をしてから、空が明るいうちに使用人は領主邸に帰って行った。リンと約束した通り、招かれざる来訪者の件については今のところ条件つきで黙ってくれるとのことだった。


「いいですか、何か仕掛けてくるようでしたら情けなど無用ですよ。眉間なぞ狙わなくとも人間は腹を撃ち抜けば死ぬんですから」


 使用人は、今宵も怪しい輩と二人きりになるリンにしっかりと念を押していった。


 銃を常に手元に置いておくこと、食事が済んだらすぐに馬小屋に閉じ込めること、襲ってきたらためわず撃つことを約束させ、既に死闘で決着がつきかけたことを知らぬまま使用人は発った。



 そして、リンは使用人の所見をそのままにリーフをなじった。


「あんた、今までどうやって生きていたの?」


 リンは腕組みしてリーフの前に立っていた。

 リーフは大変落ち着いた――あるいは薄ぼんやりとした顔で背中を丸めて立っていた。死闘の最中に見せた勢いが嘘のように、静かで存在感が薄かった。


 一日かけて不器用ながらに清掃に従事した結果、リーフの借り物のシャツは元々真っ白とは言えなかったが、泥でそでが茶色に汚れていた。えりも汗を吸ってくたびれていて、昨日洗ったばかりの銀の髪の輝きも砂埃で既にくすみ始めていた。


「息をして、死なない程度に食事をして」

「そういうことじゃなーい! 稼ぎのもとは! 生活の仕方は! 逆に何が出来るのよっ!」


 リンがリーフの鼻先に指を突きつけた。リーフの鼻はもうすっかり治っていた。

 リーフがかなりの捻くれ者であることはリンも薄々気付いていた。矢継ぎ早に指摘を重ね、減らず口を黙らせた。


「そんなんでよく一人旅してたわね!」


 言い放ってから、そういえば旅をしているにしては軽装だったとリンは思い出した。


「生活手段か……強いて言うなら、身売りかな」

「は? そんなにひょろいのに力仕事できるの? まあ、体力はあるみたいだけど」


 リンは言葉の真意が掴めずきょとんとした。

 確かに一日中駆り出されていたのに、リーフはそれほど疲れていないようだった。むしろ、寝床と食事を提供されたことで昨日よりも活力があるように見えた。


「そういうことではなくて、他人の性欲を満たして対価を得るということだ」


 リーフの口調は内容に反して非常にさっぱりとしていた。表情筋も変わらず動いていなかった。


 さっぱりとしすぎて、リンが意味を理解して顔が茹で上がるまでの時間差がかなりあった。


「そういうことはご存じではないのかな、お嬢様」

「そ、そそそそ、それくらいは知ってるしっ!」

「成る程、お嬢様は大変純情でいらっしゃるようで」


 リーフの言葉にはざらっとした棘が含まれていた。


「でもっ、私の方が生活力あるしっ! 偉いしっ!」

「偉いかどうかは置いておくとして、確かに貴族には有り余る生活能力だと思うよ」

「馬鹿にしてんでしょっ!」

「客観的事実だと思うのだけれど」

「ああ言えばこう言う! 自分の立場分かってんの!?」

「勿論。君は今、ボクを閉鎖環境で脅して従えさせる立場で、そしてあまり貴族らしくないお嬢様だ」

「あーーーー、口減らなさすぎてまじむかつくわー」


 リンは真っ赤な顔のまま地団駄を踏んだ。


「でも、そそそんなことしか取り柄がないくせに旅しようとか、超絶無謀なことやってんじゃない」


 言い負かされたままではいられないとリンは破れかぶれに噛みついた。

 そして、これにはリーフの鉄面皮も揺らいだ。


「……好きで旅をしているわけではない」


 口調には隠しきれない苦さがあった。視線が自然と下へと向いた。


「どうしても、果たさなければならないことがあったからだ」


 リーフの目つきが少し険しくなった。取り繕った気怠げな顔が少しだけ剥がれた。

 リンはその表情に思い当たるものがあった。同僚をモンスターに殺された兵士が、新品の弾丸を見るときの目に似ていた。


「ふぅん……だから、ここから出て行きたいってわけ」

「できれば早めに解放してくれると助かるのだけれど」


 口調こそ静かだったが、生命力を象徴するような新緑色の瞳に生き急ぐ炎が宿っていた。


「だーーめっ! わ・た・し・をっ、殴った分だけ働いてから! つまり、後三日は働いてもらうから!」


 立てられた三本の指に、リーフは首をかしげた。


「……そういう話だったかな?」

「してなくてもそれが当然でしょ。当然のことを約束に入れるわけないじゃん」


 さも当たり前のようにリンは言った。自分が間違っているとは微塵も思っていない顔だった。


「当然、なのか」


 リーフは眉根を寄せた。狼が目の前で二足歩行をして、茶をれる様を見ているような顔をしていた。


「当たり前じゃない! 殴られっぱなしで済ませてやる子犬ちゃんとでも思ってた?」


 リンの横暴ぶりに、リーフは目を閉じてため息をついた。


「というわけで、明日もきっちり仕事してもらうからねっ」


 リンは使用人が用意した夕食を手早く出した。レバーパテと薄く切ったパンに、昨日と同じ麦の粥。

 麦粥は説教している間に煮えて、いつも通りの香ばしい香りを台所に振りまいていた。


「はい、今日のぶん」


 昨日のリーフの食いつき方を思い出しながらリンは麦粥をリーフの前に出した。


 しかし、リーフは手を出さなかった。

 しばらく湯気のあがる皿を眺めた後、ゆっくりと視線をリンへと移した。


「これは君が作ったものではない?」

「ん? まあ、準備は昼間いたラトラン――あ、使用人のことね――あの人がやってくれたけど」


 見た目は昨日と何も変わらないというのに、いとも簡単に看破したリーフにリンは驚いた。


 それからリーフは麦粥を食べ始めた。

 だが、その速度は昨日とは目に見えて遅くなっていた。


「あれ、好きな味じゃなかったの?」


 リンも自分の分を口に運んだ。材料もレシピも同じなだけあって、味も食感も昨日とほぼ同じだった。


「……好きな味というものは、ない」



 それが、リーフが食事中に発した最後の言葉だった。



◆ ◆ ◆



 翌日、リーフは使用人の指導のもとで庭園の草抜きに従事した。抜き方は相変わらず下手くそだったが、雑草と植え込みの違いはすぐに覚えた。


 リーフが一日かけて整えた庭の一画はそれなりに見える出来栄えだった――庭のど真ん中で転ぶまでは。しかも、丁度様子を見に来たリンに抜いた草と土を頭の上からかぶせてしまった。

 かんかんになったリンは即座にリーフを馬小屋にぶち込んで、夕食は抜きだと宣言した。


 一人で夕食をとった後、リンはリーフを閉じ込めた馬小屋を訪れた。


「ちょっと、生きること下手くそ過ぎない?」


 故意かと思うほど不器用なリーフに、リンは前日よりもさらに詰め寄った。


 鎖で馬小屋の柱につながれたままのリーフは地面に座ってぼんやりとしていた。

 リンはやる気なさげなリーフの前に立って威圧した。ランプをリーフの目の前に突き出し、小言を言いながら生気の薄い顔を灯火の熱で軽くあぶった。


「不思議だ」


 鈍臭さを散々なじられた後で、リーフはぽつりと言った。


「何がよ」

「どうして、手を出そうとしない」

「は?」


 リーフの言葉に、リンはぽかんとした。一呼吸置いて、それが暴力に対する言及だとリンは気づいた。

 リンは腹立たしさで拳を握りしめてはいるが、まだそれを振り上げていなかった。

 言葉は散々ぶつけていても、肉体を痛めつける行動は一切とっていない。


「別に今は果たし合いでも殺し合いでもないじゃん。なんで私が殴らないといけないわけ?」

「これだけ君に不快なことになっているのに?」

「やっぱりわざとか!」


 だん、とリンは地面を踏みつけた。


「通りで、見計らったようにすっ転んだと思ったら!」


 今日一番に拳が震えたが、それでもリーフに掴みかかるには至らない。


「……だとしても、あんたが抵抗する気一切ないのに一方的にぶん殴れるわけないでしょ」

「違うね」


 リーフはばっさりと切り捨てた。


「君は傷つけるのを我慢しているのではなく、危害を加える気がない。どうして、一昨日おととい会ったばかりのボクに興味を抱くだけでは飽き足らず、そこまで警戒を解く」


「それは……」


 リーフの疑問はもっともなものに聞こえた。

 もし使用人が進言しなければ、昨夜の時点でリンはリーフに縄を巻くことを止めていただろう。それほどまでに、リンは既にリーフに気を許していた。


 だが、リンは即答することができなかった。


「えっと……その……」


 目を泳がせ、緩んだ拳でスカートを掴んだ。


「だって、ここでリーフがまた暴れたって、いいことなんかないし」

「何か突破口を見つけて、君に危害を加えるのかもしれない」


「……そういうこと言っていいわけ」


 リンは唇を尖らせた。


「ものの例えだよ。それでなくとも、君が武器を手にし、相手の武器を取り上げていたとしても、女性が一つ屋根の下にらちものを入れること自体が普通の発想ではない」


 わかりやすい罠をまたいで、リーフは淡々とリンの矛盾を追い詰めていった。リンは思わず後ろに一歩退いた。


 リーフは座り込んだまま動いていないというのに、凡庸で何も出来ない人形のふりの下から言葉の剃刀かみそりを振り上げていた。


「君はボクのことをもう敵だと思っていない、違うかい」


 かんらんせきの輝きが、濃い灰色グレイの奥を見透かしていた。

 決して強い光ではなく、まだどこかぼんやりと焦点を外して見ている。だが、リンは目を逸らすことができなくなっていた。


「……そりゃ、あの森を一人で歩いてきたんだもの、すごいと思って何が悪いの」


 安易でありきたりな言葉で煙に巻くことを許されず、逃げ場を失った感情をすくい上げてリンはぽつぽつと口から吐き出した。


「私が安全に歩く方法を教えても、誰も挑戦しなかったのに、何も知らなかったとしても一人で歩いたんだよ。それだけで尊敬することがおかしい?」


 リンの言葉は少し震えていた。仮にも屋内であるのにぞわりと鳥肌が立ち、無意識に腕をさすり始めた。


「実家目当てでお見合いするお坊ちゃまがウザくて、森を歩ける人と結婚するって言ったのは私よ。でも、まさか誰もできない意気地なしだらけとは思わなかった」


 リーフは黙ってリンの独白を聞いていた。


「あの人は勝手に死んだ大バカやろーだったけど、私が提示したならやってくれたはずだもん。同じだけ欲しがって何が悪いわけ」


 冷めていた言葉の端に、じわじわと熱が戻ってきた。


「だから、リーフが現れたとき安心したのよ。バカだろうがなんだろーが、私に付き合えるような奴はちゃんと他にもいるんだって」


 リンの身体の震えは止まっていた。


「そういう人を好きになって何が悪い!」


 胸を張ってリンは言い切った。


 言い切った後で、リンは我に返った。自分の考えをまとめることに夢中になりすぎて、目の前にリーフがいることをすっかり忘れていた。リーフの瞳に人間らしさが希薄なこともあって、森の獣たちに話しかけているときと同じ心持ちで喋っていた。


 リンの目の前には、変わらずぼんやりとした顔のリーフがいた。


 リンは自分の顔が熱くなるのを感じ、リーフに背中を向けた。

 本当は大声を上げてその場から逃げ出したい気持ちだったが、何かに負けるような気がして意地で足を踏ん張っていた。


「つまり、君をろうらくするという手があった、ということか」


 リンの内面の荒れ模様を知ってか知らずか、リーフは非常に平坦な声でとんでもないことを述べた。


「いきなり何言い出してんの」


 リーフのかなりずれた思考に、リンはぎょっとして振り返った。頭に冷や水をぶっかけ返されたような気分だった。


「君が言ったことだろう」

「それは……そう、かも、だけど」

「残念ながら、使えないし使うつもりもないけれどね」


 含みのある言い回しに、リンは反応した。


「なんでよ」

「ここに根を張るつもりがないから、今後君をものにする利点がない。それに、失敗すると致命的に恨まれるかもしれない」


 リンに今のところ生きて出すつもりがあるのであれば、後腐れのない関係のままがいい。情緒に欠けたリーフの言葉は、それでも筋が通っていた。



「何より残念なことに、ボクには君を懐柔するナニがない」


「は?」


「言葉通りだけれど。ボクは女だ」


「へ……あ……えええええええええええぇぇっ!」


 リンは今日一番の大声を出した。


「う、嘘だっ!」

「ここで嘘をつく必要性があると思うかい」


 リンの目の前の人物は、女性らしい丸い輪郭がほぼなかった。しかし、男らしいたくましさとも無縁であった。

 背丈は村娘より頭一つ高いが、男にしてはやや小柄だった。

 細い喉から絞り出す声は落ち着いていて、少年のようでもある。

 顔立ちは天の裁量で整えられているが故の無性の美しさがあった。


 立ち振る舞いこそ常に男性的だったが、切り取った一つ一つの要素は何ら具体的な解を示していなかった。


「確かめてみるかい」


 リーフが立ち上がった。

 リーフの白い手がリンの指先をそっと引き寄せた。触れた瞬間、リンはびくっとした。三日間共にいて、素肌が触れ合ったのは初めてだった。


 掴まれて初めて、リンはリーフの手が自分よりも小さく、指が細いことに気づいた。

 リーフの手は旅をしているとは思えないほどしなやかでふっくらとしていた。庭仕事で爪先が泥で汚れているものの、銃を握りすぎて表面が硬くなったリンの指より、遙かに淑女らしい形と感触を保っていた。


 灯りが地面に落ちて音を立てた。


 導かれた指先がリーフの胸の下に触れた。そのまま身体の下の方へと下ろしていく。

 指先は下へ、下へとシャツ越しに身体の中心線をなぞっていった。布越しに感じる骨と筋肉、そして薄い皮下脂肪は猫のようにしなやかだった。


 ちゅうちょなく下腹部を通り過ぎ、ズボンのさらに下へ、その奥までたどり着き、リーフは強く手を押し当てた。


「ほら」


 涼しい顔でリーフは言った。

 しばしリンの顔が固まった後、一瞬で茹で上がった。


「あ……あわわわわわっ!」


 リーフの手を振りほどき、リンはリーフが行けない場所まで飛び退いた。

 『そこ』に触れてしまった手を持ってわたわたと右往左往した。ぬぐうべきか、洗うべきか、そもそもそんなにのか、初心な少女には判断がつかなかった。


 それをリーフはただ眺めていた。


 とにかく気持ちを落ち着けようと、リンは何回も深呼吸を繰り返した。その甲斐あって、とりあえずスカートで手をくことができた。


 気が済むまで手をこすって、ようやくリンの中に平常心が戻ってきた。

 落とした灯りを拾い上げ、リンは再びリーフの前に立った。


 むにっ、とリンの指がリーフの頬をつまんだ。ミチミチと音を立てて肉が引っ張られた。


「さいってー」


 涙目になりながらも、リンは抗議した。


「どにょあたりが?」


 頬をつままれているせいで、リーフの滑舌は怪しくなっていた。痛みも感じているはずだが、されるがままに引っ張られていた。


「全部に決まってんでしょーがっっ!」


 再び顔を真っ赤にしてリンは怒鳴った。




「それで、リンお嬢様はボクのことは諦めてくれたのかい」

「はいはい、分かりましたよーだ。好きにすればぁー? もう、あんたのことなんて知ーらないっ!」


 リンは灯りを振り回しながら吐き捨てた。


「でも、まあ……確かに、髪下ろしたら女の子らしさもあるし、でも身体細いしぺたんこだし、間違えても全然おかしくないし……」


 ちょっと髪ほどきなさいよ、とリンはリーフの髪を下ろさせた。


 腰よりも長い銀色の髪はふわりと広がり、灯りが発する温かみのある光を受けて優しく輝いた。身体の線に沿った輝きはまるで身体そのものが光を放っているようで、人ではない妖精か、あるいは天使がそこにいると錯覚させた。


 同性と分かったうえでリンは再び見蕩れそうになった。


「うん、確かにここまでしないと女の子に見えなくもない……間違えてもしょうがない……」

「悪かったな、ぺたんこで勘違いしやすくて」


 ぶつぶつと言い訳を連ねて自分自身を慰めるリンに、リーフは少し呆れていた。


「しかし、髪が長いと女性に見られやすいということも一理あるか……」


 そこでリーフは何かに気づいて少し考え込んだ。

 リーフは銀色の髪を一筋手に取った。


「よし、刃物を貸してくれ」

「一応聞いとくけど、何する気?」

「髪を切ってしまおうかと思って」

「ちなみに髪切った経験は?」

「ない」

「絶対駄目っ!」


 リンがびしっと顔の前で腕を交差させて拒否した。


「どうして」

「髪型崩れると台無しになっちゃうじゃん。だめだめだーめっ!」


 リンは激しく反発した。


「いい顔してて、髪もこんなに綺麗で似合ってるのに、自分から台無しにするとか正気?」

「君に関係ない話だろう」


「あるに決まってんでしょ! 私が切るんだから!」

「え?」


 話の飛躍にリーフはついて行けていなかった。


「台無しにする気なんだったら、私が全部整える! せめて……せめてっ、見た目くらいは私がれて仕方ないくらいには保つのが筋ってもんでしょ」

「何の話だ」

「いいから私に全部任せなさいっての! 遠征中じゃ女同士で交代して切り合いしてたんだから! わざと変に切られそうになったら思いっきりつねってやってたけど!」

「だから、どうしてそうなる」


 リーフは本気で困惑していた。

 灯りを足下に置き、リンはショールを脱ぎ捨てた。

 獲物に食らいつく狼が如く、リンがリーフに飛びかかった。


「覚悟ぉーーーーっ!!」

「待っ――――」


 どったんばったんと外にまで音が響き渡った。


 不審な音を聞きつけたヒメヤツハオオカミたちが屋敷の近くまで集まったが、彼らのボスが先日捕まえた獲物を縄で屋敷へと引きずっていく光景が見えただけだった。


 その後しばらく屋敷の中から騒ぐ声が響いた。オオカミたちはすぐに飽きてまた森の中に戻っていった。

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