命の危機に瀕した主人公が、犯人を示す「ダイイングメッセージ」を残そうと奮闘する物語。密室殺人というミステリーの王道的な舞台設定の中で、主人公の行動や思考が予想外の方向へ展開し、シリアスな状況を笑いに変える独特のコメディ作品です。
緊迫した状況を描いているはずなのに、主人公の行動はあまりにも斜め上を行き続け、読者の心の中は「いや、早く書けよ!」の大合唱。文章も軽妙でテンポが良く、主人公が次々と試行錯誤を重ねる様子が巧みに描かれており、そのたびに新たな問題や意外な展開が生まれるため、最後まで飽きることなく楽しむことができます。
またディティールへのこだわりも、このコメディの魅力を支えています。非日常的な状況下で主人公が見せる妙に細かいこだわりや行動に、リアリティと笑いが同居します。「ありえないけれど妙に納得できる」感覚こそ、この物語ならではのユーモアです。
コメディ好き、ミステリー好きにはもちろん、多くの方にぜひ読んでもらいたい作品です。物語の軽妙さと独創性をぜひ堪能してみてください!