第4話【奴隷イベント開催】

-またもや別日・2年1組の教室にて-

緒方が教卓に立ち、話し始めた。

「今日は1学期最後のイベント【奴隷イベント】の開催日だ。このイベントは各教室で行うこととなっている。そのためルール説明等は俺がさせてもらう。もちろんイベントの監督も俺だ。今回のイベントは過去に行ったイベントとは違い、少々手荒なことをしてしまうが、どうか理解してほしい。早速今回の奴隷イベントのルール説明だが、まず、どうしても手に入れたい人がいる者がいるとする。その者は手に入れたい相手に勝負を挑み、勝つことができたらその者を手に入れ好きなようにすることができる。手に入れた者をどうしようが俺たち学校側が責任を取ることはない。しかし、勝負を挑んだものに負けた場合、今後その者に近ずくことを禁ずる。尚、勝負を挑まれた者は断ることも出来るが断った場合勝負を挑んだ者の物に強制的になってもらう。だから勝負を拒むことはオススメしない。、、、そして、ここからが本題だが、このイベントは二日間行われる。そして今日早速勝負を挑むという者が現れた。それは、仁田輝だ。勝負を挑む相手は真鍋美沙。二人は教卓の前に用意された席に着け。」と、突然名前を呼ばれた美沙は困惑した。「は、はぁ?何で私が、」と少し反抗的に言うと、輝が「もちろん断ってもいいよ。その時は強制的に俺のものになってもらうけどね。」と満面の笑みを浮かべそう言い放った。美沙は見事に輝の挑発に乗ってしまい、「くっ、!分かったわよ!その勝負受けてあげる。その代わり、私が勝ったら二度と私の目の前に現れないでよね!」と言いながら教卓の前に用意された席へと向かった。「あぁ。もちろんだよ。美沙が勝ったら俺が君に近ずくことは二度とないよ。それがこのイベントのルールだからね。、、、でも、君が負けたら美沙、君は永遠に俺のものだからね。」と言い席に着いた。「勝負内容はポーカー。真鍋、競技に異論は?」と緒方が聞くと「ありません。」と答えた。「了解。じゃあポーカーのルールを説明する。最初にどちらにもチップを10枚ずつ配る。配られたら参加費としてチップを1枚出してもらう。そして5枚カードを配る。配られたら自分の手札を確認してもらう。今回は勝負を挑まれた真鍋から始めてもらう。そして俺がチップを出すか否かを聞く。チップを出すか聞かれたら自分の手札が良いと思ったらチップを出せ。この時、だれもチップを出さなかったら、カードをすべて回収し、はじめからやりなおす。真鍋から、1回目のチップをかけろ。そのときに、コール、レイズ、ドロップを宣言しろ。

コールとは前の人と同じ枚数のチップをかけること。レイズとは前の人よりも多くのチップをかけること。その回で1人1回だけできる。ドロップとは自分の手札で勝てないと思ったとき、ゲームをおりることができることだ。誰かがレイズしてから1周する間に、相手がレイズしなければ、1回目のかけは終わりだ。真鍋から順番に、自分の手札のいらないカードを山札と交換できる。これをドローという。ドローは1枚~5枚自由にできる。1周したら、真鍋からコール、レイズ、ドロップを宣言する。そして、レイズする人が1人になるまで続ける。それぞれの手札をみせて、1番強い組み合わせの人が勝ちとなる。1番強かった人は、相手が出したチップを全部もらうことができる。今回は、どちらかのチップが無くなったら勝負終了とする。その時全てのチップを持っていた人が勝ちとなる。いいな?」とルール説明をし二人に確認をとった。二人は同時に「あぁ。」、「分かりました。」と同意した。「それでは奴隷イベント第1回・ポーカーゲームを開始する。」と宣言すると緒方は2人に、5枚のカードを配った。2人は自身の手札を確認した。それを確認した緒方は「真鍋から、チップを出すか?」と聞いた。それに対し美沙は「はい。」と言い同時に1枚のチップを出した。それに対し輝は5枚のチップを出し「レイズ。」と言った。輝のおちゃらけた表情に腹を立て、美沙も追加で3枚のチップを出し「私もレイズで。」と言った。2人がレイズしたのを確認し「それじゃあお互いに自分の手札を提示しろ。」と言った。それを聞き2人は自身の手札を提示した。輝の手札は2、2、3、3、9のツーペアで、美沙の手札は4、4、6、9、Qのワンペア。美沙は輝の手札を見て絶望したように驚いた。「なっ!、、、そん、な、、。」美沙の反応を見た輝は笑みを浮かべ「ふっ。その手札で4枚もチップを出したのか?この調子だったらすぐ勝負がついて俺の奴隷になっちまうけど大丈夫か〜?」と美沙を挑発にした。美沙は悔しそうに「うるさいわね!まだ本気を出していないだけよ!」と怒りをあらわにした。「第1ターンはツーペアで仁田の勝利。これにより仁田は自身の賭けチップ5枚と真鍋の賭けチップ4枚を獲得し、現在のチップ数は、真鍋が6枚、仁田が14枚となった。続けて第2ターンを始める。真鍋から。」緒方に配られた手札を確認し、美沙は2枚賭けそれに対し輝はレイズし4枚賭けた。今回美沙は輝の挑発には乗らずそのまま2枚のチップを賭けた。2人がチップを賭け終えたことを確認した緒方は「それでは自身の手札を提示しろ。」と指示した。輝の手札は5、5、5、7、10のスリーペア。美沙は輝と同じスリーペアだが、A、A、A、4、6だったため美沙の勝利となった。「第2ターンは2人ともスリーペアだか、Aのスリーペアの真鍋の勝利となり、自身の賭けチップか枚と仁田の賭けチップ4枚を獲得。現在のチップ数は、両者とも10枚となる。続けて第3ゲームを始める。真鍋から。」美沙は4枚賭けそれに対し輝はレイズし9枚のチップを賭けた。それに驚いた美沙は「あ、あんた、何考えてるわけ?持ってるチップのほとんどを賭けるなんて、、、そんなに自信のある手札なわけ?笑」と挑発した。すると輝は笑みを浮かべ「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないな〜。」と逆に美沙を挑発し返した。美沙は輝のおちゃらけた態度に腹をたてレイズし追加で3枚のチップを賭けた。結果は輝がスペードの2、4、5、7、10のフラッシュで美沙がK、K、A、A、Aのフルハウスでまさかの美沙の勝利。美沙は安堵し「はっ!残りチップ1枚じゃどう足掻いてもあんたの負けね。残念だったわね〜。私の事を奴隷にできなくて!」と言い放った。輝は悔しそうに唇を噛んでいた。しかし、美沙が見えないところで輝はなぜか微笑んでいた。「第3ゲームフルハウスで真鍋の勝利。これにより真鍋は仁田の賭けチップ9枚と自身の賭けチップ5枚を獲得し、現在のチップ数は、真鍋が19枚、仁田が1枚枚となった。それでは第4ゲームを始める。真鍋から。」と美沙は微笑み「残念ね。あんたの負けよ!」と言い放ち自身の持っているチップ全ての19枚のチップを賭けた。輝は1枚のチップを賭け同時に自分の手札を提示した。結果は、なんと輝の勝利。輝は10、J、Q、K、Aのロイヤルストレートフラッシュでそれに対し美沙はA、2、3、4、5のストレートフラッシュ。「なっ、、、。」と美沙は絶望し、輝は「よほど自信があったようだけど、所詮お前は俺には勝てねぇーよ!」と言い放った。「、、、勝負あり。第4ゲームの結果、ロイヤルストレートフラッシュで仁田の勝利。これにより真鍋のチップがなくなったため、奴隷イベント第1回・ポーカーゲームは仁田輝の勝利。よって、ただいまより、真鍋美沙は仁田の奴隷となる。異論は認めない。」と緒方が宣言した。この日から美沙は表向きは輝の恋人となり、裏では輝の奴隷となってしまったのだ。

-翌日-「今日も昨日行った奴隷イベントを開催する。奴隷イベント最終日である今日、勝負を挑みたいという者は九条雷。挑む者は宮下静帆。2人は前にこい。」と呼ばれた静帆は小さく「えっ、?」驚きオドオドしながら緒方が立っている教卓へと向かった。美沙は自分の親友が自身と同じ結末を迎えそうなこの状況を見ていられず「静帆!そんなやつの奴隷になんか絶対なっちゃっだめだからね!今だけ、今だけは静帆の優しい心は捨てて!」と静帆に大声で叫んだ。それに対し雷が怒りをあらわにし、「おい!てめぇの奴隷黙らせろよ、輝!」と輝に言った。「そんな怒るなよ。美沙のアドバイスがあろうがなかろうがどうせお前が勝つんだからよ。そうだろう?」となぜか自信ありげに雷にそう告げた。雷はニヤリと笑い「それもそうだな!」と言い機嫌を直した。教室がある程度落ち着いたのを確認した緒方は「今回の勝負内容は大富豪。宮下、競技に異論は?」と勝負内容の確認を静帆にした。静帆は小さい声で「ありません、。」と言った。緒方はルール説明を始めた。「ルール説明を始める。大富豪の主なルールは場に出ているカードよりも強いカードを自分の手札から出していき、手札が早く無くなった人の勝利となる。弱い順に、3・4・5・6・7・8・9・10・J・Q・K・A・2・ジョーカーとなる。大富豪にはいくつかの追加ルールが存在するが、今回は基本的なルールのみ追加することとする。まず、8切りは8を含むカードを出すと場が流れターンを取る事ができる。次にJバックはJを出すと一時的に革命状態になり場が流れるまで3が一番強くなるルールだ。5飛びは5を出すと次の人がスキップされるルールだ。7渡しは7を出すと次のプレイヤーに任意のカードを渡すことができるルールだ。場に出した7の数によって相手に渡せる枚数が決まる。最後に10捨ては10を出すと不要なカードを捨てることができる。これも7渡しと同じく10を出した数によって捨てられるカードの枚数が決まる。とまぁ、追加ルールはこれぐらいだ。異論はあるか?」と緒方が2人に確認した。2人は「それでいい。」と「ありません。」と答えた。緒方は2人の答えを聞き「それでは奴隷イベント最終日、大富豪を開催する。先に自身の手札がなくなった者の勝利となる。」と言い、緒方は2人にカードを配った。「先行は勝負を挑まれた宮下から。」と緒方が宣言すると静帆は3を出した。順調にゲームが進んでいたが、静帆が雷の2の後にジョーカーを出し、その場は静帆の勝利となった。雷はその結果に激怒し「ふざけんなよ!静帆お前次ふざけたカード出しやがったら容赦しねーからな!」と静帆に怒鳴った。その光景に苛立ち美沙が雷に向かって「脅迫で圧力かけるのやめてくれる?静帆はあんたと違って賢いんだからあんたの負けよ!諦めなさい!」と言った。雷と美沙の口論が始まった。静帆は自分のために雷に怒ってくれている美沙に感謝しているが同時に静帆からしたら恐怖の対象でしかない雷に怒鳴りつけて、美沙が後で雷に何をされるか分からないという心配もあった。対して輝は、どれだけ美沙が煽ろうとも雷が勝負事に、しかも女1人に負けるなんてことはありえない。幼い時から雷を見てきた輝だから言えることだ。そのため2人の口論をただじっと見ていた。しばらくして緒方が「九条、真鍋、その辺にしろ。勝負を再開する。」と言い、2人の口論を止めた。そして再び大富豪が再開された。今ゲームの先行はさっきのゲームで勝った静帆からとなる。静帆は4のカードを出し雷は5のカードを出した。5飛びが発生し、次は雷の番。雷はJのカードを出し、それによりJバックが発生した。静帆は6のカードを出したが、雷が3のカードを出したためそのターンは雷の勝利となった。雷はその結果に「よっしゃ!」と満足気に喜んだ。静帆は少し焦り気味になり冷や汗が出始めた。「それでは第3ターン開始。」と緒方が宣言すると、待ってましたと言わんばかりに雷が攻めてきた。まず雷は持っている8のカードを出し8切りにより雷の番に。次に雷は7渡しを4枚出し静帆に4枚のカードを渡し、静帆の番だが4枚揃っているカードが無いためパスとなり雷がジョーカーをだし、またまた雷の番で、雷は10のカードを2枚出し、緒方に不要なカード2枚を渡した。それにより、雷の手札のカード数は残り2枚となった。それに対し静帆は4枚。いい勝負と、見ていた者のほとんどがそう思っていたが、結果は雷の勝利。雷が10を出した後、静帆はQを2枚出したが、雷はAのカードを2枚出したことにより手札のカードが無くなった。そのため、この勝負は雷の勝利となった。雷の手札が無くなったことを確認した緒方は「雷の手札が無くなったため、奴隷イベント最終日・大富豪は九条雷の勝利。よって、この時から宮下静帆は九条の奴隷となったことをここに宣言する。」と言った。この日から静帆は雷の奴隷となってしまった。

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