8 身売りする詩の女神さんよぉ

詩の女神さん、あんたはとびっきりのお嬢だ!

あんた、一月の雪が降る、

北風の強い、暗い夜に、

冷え切った紫色の両足を暖める薪を、一人で集める事はできるか?


そうか、では次だ。大理石のように固まったその肩を、

窓から差し込む光が、解(ほぐ)してくれるなどと、まさか考えてはいないどろうねぇ?

財布は空っぽらしいが、

夜空の星が、金貨に変わるとでも、思ってはいないよなぁ?


まあいいさ。とにかくあんたに必要なのは、

目先のオマンマを手に入れるため、合唱隊のガキのように香炉を揺らしながら、

これっぽっちも信じていねぇ神様の讃美歌を歌うことだ。


それか、腹をすかした大道芸人を真似て、

無理くりでお愛想笑いをヘラヘラして、

人様を大笑いさせ、お情けにすがる事だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る