皆がフィオレを頼りがち。フィオレもそれに応えがち。頼れるから仕方ない?

 その魔法の実力は誰もが認めるものの、貴族社会の人間関係に疲れてしまい、若くして王国の魔術師団を退職し、田舎暮らしの道を選んだ「深淵の魔女」フィオレ。
 しかし、フィオレを取り巻く面々が彼女を放っておかない……のか、フィオレが呼び寄せてしまっているのか。
 退職後はもっとたいへんな事件に、次々に巻き込まれているような……?

「フィオレって、どこにいても結局は大変な人生となる運命なのかしら」

 作中のとあるキャラの台詞に、深く頷くしかない。

 フィオレは激しい感情をあまり表に出すことなく、戦闘中はよりいっそう冷静に淡々と対処していて。それがもう格好いいのですが。そんな彼女が感情を爆発させるシーンがありまして……これが見ものです。ぜひそこまで読んでいただきたい!

「真紅の魔女」ディアナの弟子だったフィオレが、魔術師として覚醒したリアという少女を弟子にとり、この先どのような師弟関係を築いていくのか。もしかしたら、ディアナは反面教師なのかもしれないですけど、受け継がれていく関係性が楽しみです。