巡り来る

流されたくないと思いながら流されるひとがいる

変わりたくないと願いながら変わるひとがいる

変わりたいと挑みながらも変われないひともいる


野球の表はぼくらの宿命で

野球の裏はぼくらの革命だ


そこには美しいものを美しいまま留める力があって

甘い幻想を容赦なく叩く力があって


だからぼくらは何度でも思い知る

表と裏のそのたびに

生きると死ぬをいったりきたり


誰かの絶望が誰かの希望なのだと気づくのは

誰もが野球の最中のことだった


理不尽な戦闘に自分の身をてらしてみては

ぼくらはまた笑い、また泣き、憤り、失望し、歓喜に震える


野球は何度息絶えても

何度でも野球は蘇り 巡り来る


野球の表はぼくの宿命で

野球の裏はぼくの革命だ

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