Creation talk
諸君らは創作をしたことはあるか。当然あるだろう。あるものとして進めさせて貰う。そうしないとここから先の話は成立しないからだ。ちなみに今回に限って言えばいつもの様な難癖ではないので安心してほしい。
漫画、小説、音楽、イラスト、なんでもいい。創作という行為は多岐に渡るが、全てに共通しているのは「完成」させるのが難しいという事だ。まぁこれは当然といえば当然である。なにせ0から1を生み出すのだから難しくないわけがない。世の中にはこれを難なくやり遂げてしまう異常者が存在するが、彼らの存在は文字通り異常なので勘定に入れないほうがいい。我々は凡人であり、凡人が何かを生み出すのはとてつもない労力を要するという事が理解できていればそれでいい。
しかし考えてみてほしい。私を含めて諸君らは何かしらの創作をしたことがあり、そして完成までの道のりが長いという事を理解している。という事は、我々は何かしらの作品を「完成」させた経験を持っているという事だ。
クオリティはどうあれ、0から作り始めた何かを、自分の中で完成と評するに至る段階まで仕上げたという事である。この時点で我々は他者と比べて頭一つ抜けていると思わないか?何かを創るというのは、相当な熱意がないとできない事だと私は思っている。諸君らの周りにもたくさん居ることだろう。例えば小説家を志している人が100人いたとしよう、その中で実際に作品を書き始めるのは10人で、そこから完成させる人は恐らく1人だ。漫画だってそうだ、イラストも、音楽も、着手する前から構成やら設定やらを練りに練り、最初の1文或いは1ページ、1フレーズ作った段階で綿のように軽いスランプに陥り始める。
「満足のいくものが造りたい」
何者でもない素人のその言葉は、諸君らにはさぞ滑稽に映るだろう。プロではない我々が目指すべきところは「完成」であり、クオリティなど二の次なのだ。拙くても「完成」した作品を作り続けていれば、クオリティは後から追いついてくる。最初から満足のいく物を作れる人などいないのだから。故に我々は創作を愛しているはずだ。
悩みぬいた末に生まれた作品を我が子のように可愛がり、世間に向けてどうですかと自慢する。反応を貰おうものなら飛び上がって大喜びするだろう。
それがいわゆる「達成感」という奴なのだろう。そう思うと何もアイデアが浮かばず、ペンを片手に白紙をい詰める時間すら愛おしく感じれる。そしてそれは、何かを創作した人にしか味わえない特別な感情なのだ。
諸君、ぜひ今後も創作を続けてくれたまえ。そしてアピールするのだ、世間に「どうだ素晴らしいだろう」とアピールするのだ。出来栄えなど気にするな。世間にアピールして初めて創作は「完成」するのだから。
Monologue 赤鐘 響 @lapice
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Monologueの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます