（二）-4

　昨晩酔って帰宅した後、お弁当を用意しておいた。しかし今朝は寝坊した。おかげで朝起きてすぐテーブルの上にそれを用意しておいたのに、慌てて家を出たため、最寄り駅から電車に乗ったときに、弁当を持っていないことに気づいたのだった。

　そんなやや精神的に落ち込んでいる状態で仕事をしていたのだが、仕事に集中してもそれが晴れる間もなく、上司の砂川さんに会議室に呼ばれて叱られることになってしまった。

　部下の武西君のことについてだった。彼はもともとおっちょこちょいで忘れ物も多い。今回は客先への連絡をしそびれるというミスが発覚した。以前は部署内で行う宴会の会場予約を忘れていたということもあった。入社して三年は既に経ち、仕事にもだいぶ慣れきているハズにもかかわらずだ。この手のミスが週に一度から二度はあった。


（続く）

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る