十代の自殺が相次いで起こるなか、新聞記者の丁字理子は、現場写真に必ず写り込んでいる一人の男に気づきます。
目深に被ったバケット帽、顔を覆うもじゃもじゃの髪。
なぜ、彼は死の現場に現れるのか――。
理子がその足取りを追うほど、初めは点在していた不可解な出来事が少しずつ結びつき、物語はこの世ならざる領域へと踏み込んでいきます。
静かに忍び寄る怪異の怖さがある一方で、勝ち気で行動力のある理子と同僚・瀬皮との軽妙なやり取りには、思わず頬が緩む場面も。恐怖とユーモアが心地よい緩急を生み、全13話を一気に読ませてくれました。
そして読み進めるにつれ、「拾う」と「捨てる」という言葉が、次第に異なる意味を帯びていくところも本作の大きな魅力です。
自殺現場に佇む謎の男は、そこで何を見つめ、いったい何を“拾って”いるのか。
ぜひ丁字理子とともに、その正体を追ってみてください。