本作は「読むフィギュアスケート」です。曲とプログラムが細かく設定され、スケーターの動きを追う描写に惹き込ます。何より慧眼なのは、スケーターだけでなく「指導者」に視点が切り替わること。コーチと選手の関係が描かれているのが良いです。なかなかお目にかかれない、希少な作品です!
人生において目標と目的は別の所にある。目標はオリンピックの金メダル。その頂きを目指す理由は幼い頃から唯一つ明確なものがあった。身体さえ強ければ‥‥‥強い気持ちは弱い身体を超えられるのか?各章毎に、主人公である出雲のライバルやコーチの視点で語られる物語。フィギュアスケートが心から好きでないと書けないような、この芸術スポーツならではの本格的描写の数々。スクリーンで観ているような選手達の演技や登場人物達の心に読者は魅了されていく事でしょう。