第15話
浅井side
無事にコンテストの目的地に到着し、月島先生と共に受付を済ませると、宿泊先の鍵を先に渡され部屋に荷物を置いてくるように言われた。
しかし、月島先生の手に持っている鍵は1つで俺は不思議に思う。
凸「俺の部屋の鍵は?」
凹「これだよ?」
凸「月島先生の部屋の鍵は?」
凹「これ。」
月島先生は1つしかない鍵を見てそう平然と答える。
凸「えぇぇぇええぇぇえ!!!?先生と同室!!!?」
予想外の展開に取り乱しまくる俺はテンパってもう、何をどうすればいいのか分からない。
なのに目の前の月島先生はキョトンとした顔をして、取り乱している俺を冷静な目で見てくるからこれまた、意味が分からない。
凹「同じ部屋に泊まる事言ってなかったっけ?ごめん。先生と同室だけど我慢してね。」
月島先生はそう言いながら鍵を持って歩き出す。
いやいやいや待て!!
我慢してね?ってめちゃくちゃ可愛らしく言ってるけど!?
その我慢って一体、どんな意味の我慢ですか!?
思春期真っ只中で、桃を見ただけでも発情してしまいそうな年齢の俺と同じ部屋で我慢してね?って絶対にそう言う意味での我慢ですよね!?
え!?陽優ちゃん元気ビンビンだから我慢できるかな!?大暴れしちゃうかもしれないなーーー!!!?
なんてアホなことを思っているうちに月島先生は1人でぐんぐんと歩いていて、俺は慌ててその背中を追いかけた。
用意されていた部屋は間違いであって欲しい…まさかだった。
凸「えっと…月島先生…ベッドが一つしかありません…」
凹「うん。セミダブルの部屋だからな。少し狭いけど一晩だけだから我慢してね?」
先生はそう言って微笑みかける。
また、俺我慢するの!?
一晩中で俺はどれだけ我慢させられちゃうの!?
平均よりガタイが大きいとされる俺と、華奢ではあるが高身長な月島先生が、こんな小さなセミダブルで寝たりなんかしちゃったりしちゃったら、あんな所に手が当たったり、こんな所に足が挟まったりしちゃったりしますよね!?
え!?俺どーーーーーーする!?
凹「…ごめん…先生と同じベッドで寝るなんて嫌だよな…先生があのソファで寝るよ……」
凸「いや!!だだだだだっ大丈夫です…」
俺は全然大丈夫じゃないのに、月島先生の言葉に食い気味にそう言って冷静を装い荷物をおろした。
つづく
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