宮中から逃げ出したい訳あり娘・曄琳が、美しき文官・暁明に目をつけられてしまい、やがて後宮を渦巻く策謀、過去の秘密へ近づいていくことになる――
主人公の曄琳は、華やかな後宮に見向きもせず、自分の平穏のために逃亡を企てる一筋縄ではいかない強かな少女です。複雑な過去と特別な「耳」を持つ彼女は、我が道を突き進もうと邁進する姿が力強くて、少し抜けたところも愛嬌があるかわいらしい少女です。
一方の美貌の文官・暁明は、底が読めないところがあり、裏から手を回して策略を巡らす抜け目ない人物――という一面から、交流するうちに曄琳に見せるようになってきた弱さ、完璧でない人間味のある姿が逆に格好良さを引き立てる人物でした。
曄琳と暁明、初めは利害関係から始まって、お互い反発したり噛み合わなかったり、上手くいかないと思いながら離れられなくなっていく。どちらか一人が助けるばかりでなく、手を取り合い、お互いの弱さを見せ合って、支え合っていく関係が素敵でした。
後宮の陰謀が、曄琳の背負う過去の真実を明かして、それが二人の関係を揺るがしてはより強く結びついていく。一筋縄でいかない二人の関係と複雑な過去が共鳴して、ぐいぐい引き込まれていく物語です。