第9話「私とお兄ちゃんの配信、両方観るといいよ」

「でね、お兄ちゃんがね」


「うん、はい……」


 お兄さんの初配信があった日の翌日。


 クラスメイトが誰もいなくなった放課後の教室で、あたしは礼愛の話し相手を務めていた。お兄さんがお迎えにきてくれるまでの暇つぶし相手である。


「今日の晩御飯は私の好きなリゾット作ってくれるって言ってくれたんだよ! 時間があったらアクアパッツァも用意してくれるんだって! お兄ちゃん優しくない?! すごくない?!」


「ああ、うん……すごいね。よかったじゃん。礼愛の好物だもんね」


 昨日、お兄さんの初配信があんなことになったし、いつもより登校が遅かったこともあって心配したけど、この様子だと体調に問題はなさそうだ。


 一安心はできた。だけど、まるで開き直ったようにお兄さんラブが表面化しているところを丸一日見ていると、メンタル面が気掛かりになってくる。


 礼愛はずっと楽しそうに話しているけど、なにか、こう、目の色が違うのだ。なんらかの決意のようなものを秘めた瞳に、これまでとは違う種類の心配を抱かずにはいられない。


「うん! それ以外にも、ショッピングとか映画とか、最近人気が出てきてるアニメ一緒に観るとか、いっぱい話してね!」


「あはは、いいね。もうすぐ封切りされる映画、あたしも気になってるんだよね。アニメ版おもしろかったし」


「一緒に行けたら行こうね。そうだ! FPSもまた教えてくれるって言ってたんだよ! すごく楽しみ!」


「好きだねぇ、FPS。難しそうなのに。ま、礼愛が楽しめてるんならいいけどさ」


「うん、すっごく楽しいよ。……でも、楽しむためにはまず、片づけなきゃいけないこともあるからね」


「っ…………」


 『片づけなきゃいけないこと』について、いまさら具体的な説明なんて必要なかった。


 この件について話を振られるとは思わなかったあたしは言葉に詰まる。


 礼愛はそんなあたしを見て、口元を笑みにかたどった。


「今日の夜にお兄ちゃんの配信があるんだ」


 鋭めの目尻を下げるようないつもの柔らかい笑みではなく、あたしをいじる時の悪戯っぽい笑みでもない。笑っているはずなのに、背筋が寒くなるような緊迫感。息が詰まるような迫力。


 目が、笑ってない。


「う、うん……そうだね」


 お兄さんの配信が今日の夜にあるのは知っているが、今あえてそれを話題に上げるのはどういう意図があるのか。


「あたしも、タイミングを合わせて配信するの。私とお兄ちゃんの配信、両方観るといいよ」


 礼愛はしなを作るように首を傾けて、目を細めて、口元の笑みのようななにかをさらに深める。


「きっと……おもしろいところ、観れると思うから」


 男女問わず一目で恋に落とすくらいに艶然えんぜんと、礼愛は微笑んだ。


 この表情は、以前見たことがある。お兄さんが倒れた時と同種のそれだ。


 他のことなんてどうでもいい。自分のことも、学校の評価も、周りの目も、なにもかもを全部放り投げ、ただお兄さんだけを優先していた時と同じ顔をしていた。


「っ……う、うん。そこまで言うなら、観とくよ……」


 覚悟ガンギマリ状態の礼愛がわざわざ『タイミングを合わせて』と口にしたということは、なにか大きな企みがあるのだろう。


 過ごしやすい室温に整えられているはずの教室だというのに冷や汗をかく。


 まず間違いなくお兄さんに関わることだ。そしてきっと礼愛は、お兄さんに話を通していない。


 礼愛から話す気がないのであれば、せめてあたしからお兄さんに一言二言注意を促しておくべきではなかろうか。


 そんな考えが脳裏をよぎった時、ヴヴ、とスマホのバイブレーションの音が聞こえた。あたしのではなく、礼愛のバッグからだ。


「あっ……ふふっ」


「…………はぁ」


 礼愛はスクールバッグからスマホを取り出すと、さっきの怖い笑みが見間違いかのように可憐に頬を綻ばせた。この顔はお兄さんが迎えにきたことを示している。


 近頃は毎日迎えにきてもらっているのに毎度毎度純粋に喜ぶのだ。その笑顔だけなら、愛いやつめ、と思えるのに。


 たたたたん、と画面の上を白魚のような指が踊る。手早くスマホを操作してお兄さんに返信すると、あたしに向き直った。


「じゃ、帰ろっか」


「そうだね……帰ろっか」


 一緒に帰る、といっても道が同じなのは校門のところまでだ。お兄さんは大通りに車を停める。学校前の道は狭いし危ないから、などと礼愛は言っていたが、たぶん同級生にお兄さんを見せたくないだけだろう。


 大通りはあたしが利用している駅とは正反対の方向なので、いつも校門前で別れている。


「じゃあね、礼愛。配信がんばって」


 そう言って、あたしは駅へ向かって足を踏み出した。


 電車に乗ったら、お兄さんにメッセージを送ろう。


 なにを企んでいるかはわからなかったけれど、礼愛がなにかを企んでいることはたしかだ。お兄さんを想ってのことだと理解はしているが、それで状況が悪化したら元も子もない。


 なにもわかっていなくても、お兄さんに一言注意を促しておくだけで意味があるだろう。


 そう考えていると、礼愛に手を引っ張られた。


「一緒に帰ろって言ったでしょ」


「えっ……」


 礼愛からされた話をお兄さんに報告しようと思っていた矢先のこれだったので、どきりと心臓が跳ねた。


「お兄ちゃんに送ってもらえばいいじゃん」


「で、でも……あたしの家に寄ってもらったら回り道になるし」


「そのくらいなら大した距離じゃないって。そこまで時間もかからないし」


「いや、さすがにお兄さんに申し訳ないっていうか……」


「お兄ちゃんならそんなの気にしないよ。お兄ちゃんと夢結、ちょくちょく連絡は取り合ってるみたいだけど、直接会って話すのは久しぶりなんじゃない?」


「ま、まぁ、それはそうだけど……」


 メッセージアプリで時々やりとりはしているけれど、礼愛の言う通り、会ったりはしていない。なんなら通話すらしていない。あたしにはハードルが高いのだ。


「お兄ちゃんと夢結も仲良くなったわけだし、これからはお兄ちゃんが迎えにきてくれる時は一緒に帰ることにしよっか」


「えっ?!」


「嫌だった?」


「い、嫌じゃないです!」


「そっか。それなら大丈夫だね」


「っ!」


 するり、と。


 意識の間隙かんげきを縫うように、あたしの手に礼愛が手を滑り込ませてきた。


「道、こっちだよ」


「え、あ、うん」


 自分のそれより少しあたたかい礼愛の手のひらに動揺する。


 礼愛は、クラスメイトがよくやるようなボディタッチをあまり好まない。ふだんしないことをしているのだから絶対に裏があるはずなのに、礼愛のつやつやさらさらの手とぬくもりで思考能力が停止しそうになってしまう。


「お兄ちゃんにさっきの話、しちゃ駄目だからね?」


「ぇうっ?!」


 やっぱり裏があった。どうせこんなことだろうと思ってたよ。


 これは取引きなのだ。


 黙っていれば、推しに会える。お喋りもできるし、家まで送ってもらえる。オタクの身に余るご褒美だ。


 しかし、あたしがお兄さんに告げ口すれば、そのご褒美は目の前で取り上げられる。お兄さんの車に乗せてもらえる貴重な機会を奪われる。


 言外に脅してきているのだ。


 くそう、礼愛め。推しに会いたいと願う純粋なオタク心を弄びやがって。


「夢結? お返事は?」


 すぐ隣からあたしの顔を覗き込むようにして上目遣いに礼愛が微笑む。


 あたしの心中で天使と悪魔がせめぎ合う。


 しばしの葛藤の末。


「……ぁい。あたしは、なにも、きかなかった」


 苦渋の決断だった。オタクが、あたしの純粋で不純なオタク心が悪いんや。


「そっか。よかったよ。きっと今後、夢結のこと頼りにさせてもらうと思うんだ。だからちゃんと今日の配信を観といてほしかったんだよね」


「……あたしになにかできることがあるとは思えないけど」


「そんなことないよ。心の底から信頼できる人は私には夢結しかいないからね。頼りにしてるの」


「できることがあるなら遠回しなことしなくても手伝うってば」


「そう? それじゃここから回れ右して一人で帰る?」


「それとこれとは話が別じゃろ」


「あははっ。夢結のそういう素直なところ、私好きだよ」


「へいへい……そりゃどーも」


「あれえ? 夢結照れてる? 照れてるの?」


 そっぽを向いたあたしに、ここぞとばかりに礼愛は意地悪な顔で詰め寄ってくる。にやにやしながら頬をつついてきた。


「ぷぁ、やめろ、つっつくなっ」


「夢結のほっぺたぷにぷにだね。癖になる感触」


「なんだこら、ディスってんのか!」


「なんでよ、褒めてるんだってば」


 心配事が一つなくなったとばかりに、礼愛はからりと笑った。ようやくいつもの礼愛の笑顔を見られた気がした。


 やっぱり礼愛には、人をからかっている時に見せる悪戯っぽい笑みが一番似合う。


「あ、お兄ちゃんいた!」


 お兄さんの車を発見するや、礼愛はあたしの手を引いているにもかかわらずぐいぐいと駆け寄る。あたしを牽引してなお、あまりある推進力。搭載されているエンジンが違うようだ。


 ともあれ、礼愛の元気な姿を見られて嬉しく思う。


「…………ちょっと後ろめたいけどね」


 反面、お兄さんには礼愛の企みを黙っていなければいけないので心苦しい気持ちもある。


 ごめんなさい、お兄さん。今回は礼愛を優先します。あたしのできることならなんでもしますから、それで許してください。


 *


「さぁ、辞世の句をどうぞ、ゆー姉」


「あたし死ぬんか?」


 あたしを床に押し倒した寧音の第一声がそれだった。


 どうやら寧音は、あたしがお兄さんに家の前まで送り届けてもらっていたのをどこかで見ていたらしい。


「寧音が配信のコメント欄やSNSでしか応援できないのを知っていながら、ゆー姉は推しに直接会い、あまつさえ家まで送ってもらうなどという大愚を犯した。これは健全で良識的なオタクを貶め、嘲笑うような悪行。言語道断、万死に値する。不届き者は寧音が誅する。断罪執行、正義は我にあり」


「か、過激派……。健全で良識的なオタクはこんなことしないでしょ……」


「これは寧音の総意である」


「あんたの『総意』の使い方斬新すぎない?」


 その言い分で認められちゃったらもうなんでもありだよ。


「ただし、じょーじょーひゃくろうの余地もある」


「情状酌量ね。なんだろう?」


 中学生にしては目をみはるものがあったが、そろそろ寧音の語彙力と舌が限界に達したようだ。


「昨日言ったことだよ。寧音のこと話してくれた? 少しでもお兄さんに話してくれてたら、じょうじょうはくりょうしてもいい」


「情状酌量してくれるんだ。よかった」


「え?! 寧音の話してくれたの?!」


「いや、できんかった」


「guilty」


 あたしのお腹に馬乗りになった寧音は冷たい瞳をしながら拳を振り上げた。


「ちょっ、ちょっと待って! あたしの話も聞いて!」


「寧音のお願いを聞いてくれてたら、ゆー姉の話も聞いてあげてたよ」


「いや、それは順序がおかしい……っていうか! いや、逆にさぁっ! このあたしがお兄さんと礼愛が話してるところをぶった斬って自分の話できると思ってんの?! その前提が間違ってんだよ!」


「なにこの悲しい逆ギレ……」


「男の人とまともに会話できないこのあたしが! 推し相手に自己主張できるわけないじゃん! そんな高望みする寧音にも責任がある!」


「お、おおう……」


「たしかにお兄さんに家まで送ってもらった! それは事実だし言い逃れはしない! でもそもそも今日お兄さんと会う予定なんてなかった! 急に会うってなって、急に送ってくれるってなって、頭の中真っ白で気がついたら家の前! なんか楽しかったなっていうぼんやりした記憶しか残っとらん! そんな精神状態で狙ったテーマでトークしろとか無理言うな! あたしは悪くない! あんたが悪い!」


「うわぁ……ゆー姉のコミュ力のなさを寧音は痛感してるよ……。そうだね、幼稚園児に因数分解やれっていうのと同じだもんね。できないことをさせようとしてごめんね、ゆー姉。寧音が悪かったよ」


「わかればいいんだよ」


 憐れむような目をしながら、寧音はあたしの上からどいた。


 力が抜けたように、その場でぺたん座りして寧音は俯く。


「はぁ……ゆー姉は役に立たないし、想いは推しに届かないし、姉妹で関わりが一番ないし、なんで寧音だけこんな目に……」


 一見落ち込んでいるようで可哀想にも見えるけれど、言っていることはとことん姉二人を、とくにあたしをこき下ろしたものだ。同情するだけの価値はない。


「女子力や社交性が決定的差ではないことが証明されちゃったな。なんだろ……運命って、やつなんじゃないかな?」


「きっしょ……。でも実際ゆー姉のほうがお兄さんと近い……。運命以外で、寧音とゆー姉の違いって……乳? 乳なのか?」


 寧音は自分の胸元を手で押さえながらあたしの胸を見て、ぼそぼそと呟いていた。


 それが武器になるのならあたしは苦労しないだろうし、それが武器になるのならあたしはこんなに好印象を抱いていない。


「スタイルとかはまったく関係ないよ。断言できる」


「は? なんで?」


 めちゃくちゃに喧嘩腰だ。顔にも言葉にも険がある。バストは寧音の地雷なので、取り扱いには注意が必要だ。


「お兄さんはね、人と喋る時は目を見て喋るんだよ」


「ええっと……。あの、さ……ゆー姉は知らないかもしれないけど……一般常識、だよ?」


「黙れ。知っとるわ。そうじゃなくて、視線が動かないってこと。体に向いたらわかるもんじゃない? それがないっていうか。男の人って結構視線が体に移るでしょ?」


「あー、そういう。ふつうに外歩いてたら足とかに視線感じたりするもんね、たしかに」


「男の人はそういうもんって聞くけどさ、やっぱりあんまり気持ちのいいもんじゃないわけじゃん。じろじろ見られるの」


「そう? 寧音は『はっは、寧音の類稀なる可憐さに見惚れとるわ』って思ってるよ。気分がいい」


「……なにその高すぎる自己肯定感。ちょっと羨ましいよ。あたしは見られるの苦手なんだけど……でも、お兄さんはね、絶対視線が動かないんだよ。まるで眼球通して脳みその中まで見透かされてるんじゃないかって思うくらい、目を見て話すんだから」


「脳みそ見透かされてるとかって発想するゆー姉がきもいなって思う気持ちと、推しとアイトゥアイで会話してるゆー姉に嫉妬する気持ちで今ちょうどフィフティ・フィフティ。気をつけて。寧音どうなるかわかんない」


「殴られたくないから気をつける。つまりお兄さんはスタイルがどうとかってあんまり気にしてないと思うんだよね。巨乳好きだったり脚フェチだったら目線がそっちに動くだろうし。少なくともあたしがお兄さんを見てた時、体に視線が動いた覚えはないよ」


「体だけはエロいゆー姉が言うなら間違いないか……」


「姉に対してエロいとか言うな」


「実際そうだよ。でも安心して? 中身で萎える」


「余計ひどい……」


「でも、そうだとしたらお兄さんがゆー姉を気に入ってる理由ってなんなの? れー姉の友だちだから?」


「やめてくれ、その理由はあたしに効く……。あ、礼愛も言ってたことだけど、お兄さんは友だちいないらしいからそれでじゃない?」


「……ん? え、なに、どゆこと?」


「だから自分の近い人には優しくする、みたいな? 友だちがいないから距離感がわからないんだと思う。あたしも似たようなもんだし」


「れー姉から話を聞く限り、お兄さんは完璧超人なのに友だちいないのか……。ってことは、彼女もいない、のかな?」


「いないんじゃない? メッセージアプリに登録されてる家族以外の人、あたし以外に弁護士の先生しかいなかったし」


「そうなんだ? あー、よかったー。推しを目の前にしたらクソザコナメクジに塩かけたみたいな体たらくになるゆー姉しか周りにいないなら安心だ」


「どんなボキャブラリーしてんのあんたは」


 非常に不本意な理由でお兄さんに彼女がいないことを確認した寧音は、にこにこしながら自分のノートPCの前に戻った。


 ノートPCで思い出した。礼愛からお兄さんの配信と礼愛の配信の同時視聴をお勧めされていたのだった。


「寧音、お兄さんの配信観るよね?」


「……は? なんで?」


 心の底からなに言ってんのかわかんない。寧音の表情はありありとそう物語っていた。


「え? 観ないの?」


「いや、観るよ。観るに決まってんじゃん」


「えぇ……。なんだったの、さっきの無駄なやりとり……」


「ムダなのはゆー姉の質問だよ。お兄さんの配信があるなら答えは『観る』以外にないでしょ。当たり前じゃん。そんなの『人って寝るの?』って質問してんのと同じだよ」


「価値観がオタクすぎる……。ま、まぁ観るんならいいや……。今日礼愛も同じ時間に配信するらしいから、画面見してほしいんだけど、いい?」


「ほーん、いいよ。……って、え゛!? れー姉も配信やってるの?!」


「あれ? 言ってなかったっけ? そもそもお兄さんがVtuber始めた理由が礼愛だよ。礼愛がお兄さんに、一緒にやろー、って言ったからお兄さんもVtuberになったんだって」


「そうだったんだ?! ていうかそんな理由で『New Tale』に入れちゃったんだ?! すごっ! あ……もしかして推薦とかで入った、みたいな?」


「いや、礼愛が言うには、お兄さんは黙ってたんだって。他の応募してる人たちよりも有利になるかもしれないからとかって。面接の時に礼愛のお兄ちゃんだってことはバレちゃったみたいだけど、そこでバレなかったら採用が決まるまで自分からは言わないつもりだったんじゃない?」


「くふっ、にひひっ」


「なんなの、その気持ち悪い笑い……」


「ふへへ……解釈一致」


 気持ち悪いことこの上ないが、あたしも同じモノをこの身に秘めているので大変共感できる。その話を聞いた時、あたしも解釈一致と歓喜に打ち震えたものだ。


「そんなわけで、画面見せてね」


「おっけー。寧音もれー姉の配信観たいから、ゆー姉のノートPC出してよ。そっちのデスクトップのほうのディスプレイはこっちから観にくいんだよね。だからノートPCこっちに持ってきて、寧音のPCの隣に置いてよ」


 寧音に言われるまで、昔使っていた自分のノートPCの存在を忘れていた。


「はいはい。……まだあれちゃんと動くのかな? そもそもどこにしまってるか……」


 もやがかかったような記憶を頼りに探して、無事に引き出しの奥で眠っていた一世代遅れのノートPCは発掘できた。寧音のPCの隣にセッティングして充電もしておく。視聴準備は万端だ。


 

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