気ままなエッセイ

宇治ヤマト

第1話 ラーメン

 学生時代、バイトの帰り等に、友達とよく通っていたラーメン屋があった。


 通っていた店のラーメンは、ちょっと変わっていて、醤油と味噌が『普通』『中辛』『激辛』とあった。

 激辛は本当に辛かった……。


 実は、友達に誘われる以前に一人で入って食べた事があり、その際には激辛味噌を頼んでしまい「これは! いくらなんでも辛すぎるだろ!?」と、もう来ることは無いと思っていた。


 その後、ある休日に友達グループから誘われて、そのラーメン屋に行くこととなり


「あまり美味くないよね?」と俺が話すと


「激辛はつうの人じゃないとダメなんだよ。普通のを食べてごらん? スープは赤いけど辛く無いからさ」と言われて食べてみた。


 普通醤油を頼んで食べてみたら――

 ――美味い……、のかも???

 スープは赤いけど、確かに辛くはない

 と言う不思議な感覚であった。


 友達グループは既に、この店のラーメンに重度の中毒症状になっており、中には一日で昼と夜の二回食べに来ているという猛者もいた。


「一回目だと、良さがわからないんだよねぇ。三回目くらいで中毒になるからさ」とグループのリーダーに言われて、誘われるがままに通った。


 結果――、見事に中毒となってしまった。


 この店、おろしニンニクの容器が各席に設置されており、猛者もさは一瓶投入するという荒業を行っていた。


 また、別な友人は一味唐辛子とコショウを大量に振りかけて「激辛まで高める!!」という変則技も行っていた。


 この店、カレーも美味いのだが、カレーを頼むと店主が驚愕の表情をして

「(貴っ様……!? ラーメンを頼まないのかぁっ!?)」 と言う心の声がだだ漏れだった事があった。


 ラーメンは普通のを頼んでも結構な量のニンニクが入っているので、食べるのは休日か、その前の日の夜であったが、待ち遠しくて仕方なかった記憶がある。

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