私にとってのSFといえば、遠い、遠い宇宙のどこか、今の時代ではない遠い未来というイメージが強いです。
本作は近未来SF文芸シリーズ(視窓のリメイク)のスピンオフ作品。
しっかりとした描写と設定は読み応えがあります。
SFというフィルターを通してはいますが、死について、生きることについて、生きる意味について、親が子に託す想い、夫の想い、妻の想い……と様々な視点から様々なメッセージを読み取ることができました。
それは決して遠い世界の話ではなく、自分のすぐ側に存在する、いずれ直面するであろう人として目を背けてはいけない問題だと……私は感じました。
「存在の究極の問いに至る旅」
登場人物だけでなく、読者もそこに至るのではないか……とこのキャッチコピーを見て思いました。