まるで重厚な海外ドラマをみているかのよう。

タイトルにある通りです。

この物語は、小説というかたちでありながら、読み進める程にこの重厚な世界観に呑み込まれ、海外ドラマをみているかのような心地に駆られる傑作だと思います。

かなり噛み砕いて要約すると、近未来都市ルナシティを舞台に、スラム街出身のアダムがこの街に巣食う闇と対峙するというような物語になります。

ただ、作者様が作られたこの世界は細部に至るまで綿密に練られており、二転三転する展開に胸の高鳴りが止まらなくなります。物語の構成はもう圧巻の一言ですが、私が何よりもこの物語で魅力的だと思ったのは一人一人のキャラクター達です。 

スラム街で育った幼少期、悲しい過去、それぞれが何かを抱え、彼らは必ずしも正しい選択を選ばないその人間臭さがよりリアリティを際立たせている気がします。キャラが立つって言葉をよく耳にしますけど、まさにこの物語のようなことを言うのだろうなと心から思いました。

この作品に触れ、重厚な世界観に、ルナシティという街に足を運んで頂きたいです。気になって頂けた方は、是非御一読ください。

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