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由美ちゃんを見送った僕は、周囲を見回した。
と、道路を渡った反対側に、赤い屋根のちょっとレトロな感じのカフェを見つけた。
(よし、あそこで・・・)
僕は横断歩道を渡り、その店を目指した。
(うわぁ・・・)
店内に入ると、そこは「ちょっと」どころではない、メチャクチャレトロなカフェだった。
(カフェというより、昭和の喫茶店だな)
中は、テーブル、ソファーを始め、明らかに「昭和」を意識した調度品で埋められていた。
(ピンクの電話もあるじゃん。使えるのかな?)
ちょっと圧倒されながら、僕は席に着き、どんな店でも無難な、ホットのブレンドコーヒーを頼んだ。
(さて・・・)
僕はスマホをポケットから取り出し、ラインで由美ちゃんにこの店にいることを伝えた。
すぐに由美ちゃんから、「ありがと」という短い返信が届いた。
コーヒーが届くのを待ってから、僕はソファーに背中を預けて、目を閉じた。
(由美ちゃん、何でこんなに急いで、ここまで来たんだろう?)
僕は、さまざまな理由を空想してみたが、どれも現実味がなさそうで・・・
(待てよ?)
不意に、頭に閃くものがあった。
(Z大学附属病院・・なんか、どっかで聞いた覚えがあるぞ❗️)
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