都会でのお仕事を脱サラして白ネギ農家になった、夢神蒼茫さんの、ネギ4部作の一つです。メインとなるエッセイ「40歳 白ネギ農家です。」の続編にあたる作品です。
ですが、一読してびっくり。夢神さんは、食育に力を入れており(将来ネギの消費者にもなってくれるため)、あちこちの小学校で講演をされているそうなのですが、あるとき、「夢神さんの講演に合わせて、夢神さんを題材にした演劇を披露します!」というお話が舞い込みます。もう、完全に地元の名士というか偉人扱いですw
また、この演劇、誰が脚本したのかわかりませんが、面白い!
「代々白ねぎ作りに勤しむ豪農『名月一文字家』。現当主がそろそろ跡取りを決めようかと考える。そこで3人いる子供、『関羽』、『龍光』、『羽生』を白ねぎ作りで競わせ、一番出来の良かった者に家督と家宝である『伝説のねぎ畑』を譲る事を決めた。かくして、3人による白ねぎ作り対決が始まる!」とういもので、カッコ内はどれも夢神さんが育てているネギのブランド名です。夢神さんも「伝説のネギ職人」として登場します。
5000字なくて、すぐ読めますから、続きはどうぞ読んで下さい。
こんな、自分のライフワークで、自分を題材にして演劇を作ってもらうなんて、WEB作家で言えば、出版レベルの幸せな出来事なんじゃないかなあ、って思いました。
これはお勧めです。
ひょんなことから作者様のプロフィールページに迷い込み、「本職は白ねぎ農家、やってます!」にノックアウトされ、よくよく見れば白ねぎエッセイがたくさんあるじゃないか!! と適当に面白そうなのを選んで読み始めたところ。
あまりの面白さに激しくツボりました。
小学生の子供たちが作り上げる諸々に籠められた、想像力や創造力や作者様へのリスペクト。
子供たちが見せる素晴らしい輝きに、彼ら彼女らが大人になった時のことを思わずにはいられません。
この輝きを持ったまま、大人になってほしいと切に願います。
同じ県民として(白ねぎの産地ということから考えて、おそらく作者様は私とは反対側在住ですが)誇らしく思います。
白ねぎは県民の宝ッッ!! こどもたちは未来の宝ッッッ!!!
短い話なのですぐに読める。
脱サラして白ねぎ農家になっていた著者が、農業のかたわら地元の小学生に農業体験指導を行っていたところ、小学生から想わぬかたちでサプライズが返ってくる。
畠で彼らに教えていた内容が、一本のぶっとんだ舞台劇となって戻ってきたのだ。『伝説のねぎ畑』とは、その演劇のタイトル。
小学校の講堂に招かれた著者、縦笛の音色に数十年前の学童だった時代を想い出して、しみじみしている場合ではなかった。
想像の斜め上をいくナニかが、舞台の上で始まるではないか。
確か、教えていたのは白ねぎの育成や、掘り方、農具の説明だったはずだ。
豪農『名月一文字家』とは、一体なに!?
続きは本編で。
実話だそうです。
これは角川さんに絵本にしてもらいたいですね。