(2)

「大丈夫だった……?」

 シャロルと……そして、一緒に居た魔法使いのジュリアの服はボロボロになって、路上に横たわっていた。

 いや、ゴミのように路上に放置されてると言った方が正確かも知れない。

 例によって、例の如く、小説投稿サイトの規約で詳しくは説明出来ないが、読者の皆さんの御想像の通りか、もっと酷い目に遭ったのだ。

 冒険者と間違われた男と、それを庇ったスーパーヒーローは……善良なる市民によって、火炙りにされた。

「大丈夫……慣れてるから……冒険者ギルドに居た頃から……日常茶飯事だから……」

 シャロルは、そう言っているけど……焦点が合ってない目には涙を浮かべ……。

「大丈夫……私が付いてるから……」

 魔法使いのジュリアは……シャロルを抱き締める。

 こっちも、ほとどんど条件反射みたいなモノらしく……目は死んだまま。

「何で……」

 ジュリアは僕の方に目を向ける。

「えっ?」

「何で、自分の身が安全な時になって、ノコノコ、善人ぶって出て来るんですか? この偽善者ッ‼」

 ドゴオッ‼

 無数の「魔法の矢」が放たれ……。

 でも、威嚇だった。

「あんたは、いつもそうだッ‼ 二度と……私達の視界に入るんじゃねぇ、この現実主義者にんげんのクズがぁぁぁぁ〜ッ‼」

 うわああ……何で何で何で……僕の方が怨まれなきゃいけないんだよッ?

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