断章
ここまで私のあまり面白くもないお話を読んでくれて、誠に嬉しく思いますとともに、同年代から外れた方には突飛な部分が多すぎて『ノンフィクション』には感じられないかも知れないでしょう。確かに筋書きだけで書くのも芸がないと思い、お話のように盛り上がるよう構成などは入れています……が、これは紛れもなく私の経験してきた体験談であり、実際に起った世界の片隅にある史実です。
少し過剰気味に書きましたが、別に信じてほしい訳でもなければ、解ってもらいたいと言う事でも有りません。それは表題や紹介に書いた通り。
――私が私の為に、備忘録として書いているのです。
五十を過ぎて始めた『物書き』と言う趣味。……それを誰かに読んでもらえると言う「喜び」は、ある意味至高の極みとなりました。またこの趣味を通じてSNSでは沢山の方たちとの交流が出来、独り者の孤独感や藻礁感から抜け出す事まで出来たのです。その皆さんは私にとって同士であり、良き好敵手。……まぁ、私が勝手にそう思っているだけで、実際の私は唯の雑魚キャラでしか無いですが。
……さて、今回。ここで断章を入れた理由にでも触れておきましょう。
昭和四十五年の夏、私はこの世に生を受けました。前話で十八歳になる年まで進んでいます。内容的には駆け足です、書き込めばこの数倍は書けるでしょうから。幼稚園時代の思い出なども記憶を攫えば当時の担当の先生と、小学校卒業時まで年賀状のやり取りをしていましたし、初恋の手前に思う「憧れ以上恋未満」の同年代は小学六年生の頃です。所謂「ちょっかい」を掛けては彼女に嫌な思いをさせてしまっていた……。ただ話す口実が欲しかっただけ。でも真正面には立てなかったから……。そんな淡い思いを私は、中学時代のあの娘に全てぶつけて居たのだと、今なら容易に思い返せます。故に初めての「女性」となった彼女を長い間引き摺り、女性を……人間を信じなくなったのだと思います。「好き」や「愛」を賭け事のように捉え、狙った女性を堕とすまでを楽しみ、相手の「心の内」をまともに見ないと言う、最低な青春時代だったと反省しきりです。中学最終学年時、初めて『補導』されてから、月一ペースで生活安全課の刑事に連れられてしまい、母には「根性叩き直してやってください」と煽られた刑事さんに、柔道場で良く揉まれたこともあります。
ただ、そんな話をつらつら書いた所で、ただ闇雲に話が続くだけ。
――だってこれは備忘録なのですから。
確かにエッセイではあるけれど。私の人生の一部ではあるけれど。
――全ては私が思い出せれば良いのです。
だからここには要点を。
人生の中で思い出の「トリガー」を。
これからも書き綴っていくつもりです。
次話からは時が飛ぶ可能性もございます。それは私にとって「不要」な「トリガー」だからです。
人は、その生きてきた道の上で様々な選択をしていきます。その道の途中でこそ「出会い」「別れ」を積み重ね、『今』の自分を形成しているのだと私は考えます。出会いや別れは別に人だけでは、有りません。趣味嗜好、その時に起こった出来事。知る知らないに関わらず、耳にする事象全て。それらと出逢うからこそ自身の実になり、取捨選択で捨てて別れたからこそ、次へのステップへと進んでいるのだと私は考えます。
耳障りのいい言葉で「望めば叶う」「努力はきっと報われる」……そんな事は有りません。望んだ所で叶わないモノは叶いませんし「無駄な努力」はそれこそ無駄となるでしょう。世間はそれだけ不条理ですし、不義理です。まぁ、これは私達が追い求めた「理想」の隙間にある抜け道を巧く使う輩の所為でもあるのですが。
話がだいぶずれてしまいました。
この「エッセイという名の備忘録」はまだ続きます。が、偶にこうした断章が現れる可能性もなきにしもあらず……。
どうか、ゆっくりと、おおらかな気持ちで読んでくだされば、私は殊の外喜びます。勿論、ノンフィクションですが「フィクション」に捉えて頂いても一向に構いません。
こんな荒唐無稽なオッサンが居るんだと笑ってもらって全然結構。一言書いていただければそれこそ、泣いて小躍りするかもです。
長々と書きましたが、次話から「社会人」として生きる私のお話の始まりです。
お暇な時にでも覗いてみてはいかがでしょう。
面白い保証は皆無ですが……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます