気が付いたら宇宙ステーションにいた——SF版の「異世界転生」的発想が気持ちよくハマる一作です。身分証もなく、乗ってきた宇宙船もなく、当然お金もない状態で警察に連行される主人公のおろおろっぷりが微笑ましく、それでいてしっかり読者を引き込むテンポの良さがあります。
「稀人」という特別な立場を得た主人公がどう宇宙で成り上がっていくか——異種族が行き交うステーションの描写や独自の文化設定など、世界観の作り込みも丁寧で、宇宙開拓SFとして非常に楽しみながら読み進められます。炭鉱夫というタイトルの地味さに似合わず、スケール感は抜群の作品です。
淡々とした文体ながら主人公が巻き起こすとんでもない展開のギャップがとても面白い作品です。
チート能力をもらって無双しているのになぜか無双に見えません。主人公の精神性がそうさせるのでしょうか。周囲の驚きがたまらなく癖になってしまいます。
最初は炭鉱夫として一人でやっていく話から徐々に規模が大きくなっていきます。タイトル通り、成り上がりをきっちり見せてくれていました。主人公、お金稼ぎが好きすぎでしょう……。
また、主人公周りの設定が稠密に作られていており、徐々に主人公の謎が判明していくという面白さもありました。SFものとしても楽しめます。
幅広い人にオススメできる秀作です。ぜひお読みください。