神は■■に■づく世界で旅をする-w■r■■ ■-

ミカニウム

黄芩の第一歩

prologue/一節

 Prologue


「いやあ~、神界も飽きてきたなぁ。もっと真新しい刺激が欲しいものだな」


 辺り一面真っ白な空間で、一人佇んでいたその神は言った


「よし。下界へ旅に出よう!」


 全く理解のできない話である。神が下界に与える影響と降りたことによる、神自身への影響、それらが強大にも拘らず下界へ行く神の旅路を記した書のプロローグはこれで終わろう


 一節 ■■■の始まり

「おお、ここが下界か。樹々とても生い茂っているな。家の書斎だとここまで生い茂っていなかったはずだが、もしかしてこれが森というものなのか?だとしたら素晴らしいな。澄んでいる」


 初めての森に興奮しながらも、森の澄んだ雰囲気に心地よさを感じていた。もうしばらく留まっても良かったが、そのために下界へ降りたのではない。人間社会で刺激を得るためだ


探知サーチ


 神がそう唱えると、神を中心に不可視のが同心円状に広がっていった。唱えた探知が終わったのか、広がっていたは神の右目にのみ残り、後は霧散していった


「人間の反応が多い場所は見つけた。おそらくそこが人間の町なのだろう。向かいながら売れる薬草を集めるかな」


 神はそう言い、町へ一直線に進みながら、右目の力で薬草を集めていった



「これが人間の町」


 森を越えた神は道を見つけ、道なりに進んだ。その結果、眼前には人間の町を守る大きなくるわが見えた


「あ、おい。ちょっと待て。お前だよ、そこの白髪!」


「え?」


 廓の門を抜けようとしたとき、始めは他人のことかと思ったが白髪と、おそらく騎士であろう男に呼ばれ、足を止めた


「何勝手に入っている。ちゃんと列に並べ」


「並ぶ? 並ばないといけないのか?」


 神は分からなかった。ただ町に入るだけでなぜ並ばねばならないのか。待たなければならないのか。


「当たり前だろ。勝手に入ってよかったら悪人によって町が衰退してしまうだろ。いいから速く並べ」


 神は十分に理解できていないが、人間のルールを守ろうと列に並んだ


「次! お前か。ギルドカードは持っているか?」


 騎士の男は次の人間が神であると分かると脹れっ面をした


「持ってない」


「なら名前と年齢、この町に来た理由を教えろ」


「名前はノウン、年齢は16歳。旅を始めたばっかりで偶々たまたまこの町に来ただけで特に理由はない」


「そうか。じゃあ次にここにある水晶に手を乗せろ。犯罪歴がないか調べる」


 神から見て右手に奇麗な無色透明の水晶があった。その水晶に言われた通りに手を乗せる。すると、水晶の中に相思鼠の綺麗な炎がでた


「犯罪歴無し、仮の通行証を発行し通行を許可する。この仮の通行証は五日以内に返しに来い。つまり五日以内にどこかしらのギルドで登録をしろってことだ。いいな」


「わかった」


「よし、じゃあ通行料として200f《フィール》払え」


「200f?」


 通行料としてお金を請求された神、ノウンは当然お金など持っておらず、さらにはこの世界のお金のことなど知りもしないため、少し戸惑っていた


「ああそうだ…まさかお金を持っていないとか言わないよな」


 ノウンの困惑に気付いたのか騎士はそんなことを言った。ノウンは当然まだ困惑中だ


「はぁ…何か売れるものは持っているか?」


「売れるもの…薬草なら持っているぞ」


 売れるものと言われノウンはここに来るまでに採った薬草を思い出した


「ならそいつを渡せ。換金してやる」


 そう言われノウンは異空間倉庫アイテムボックスから沢山の薬草を出した


「ちょ、おい待て待て待てっ! お前今どこから薬草出し! それになんだこの薬草の量は! 多すぎるだろ!」


「…?」


 やはりノウンは困惑していた

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