幽霊や心霊現象を昔から避けてきた少年・深夏が、本物の幽霊・菫と出会い、彼女の未練を一緒に探していく——「自分を見えているのか」と問う冒頭の一文が、二人の関係の始まりを静かに印象づける。
菫自身が生前の記憶を持たないまま成仏の理由を探すという構造が秀逸で、記憶を取り戻す旅がそのまま二人の距離を縮めていく過程として機能している。「居候幽霊」「指を握らせてください」「夏祭り」と続く各話タイトルからも、コミカルな日常と切実な過去探しが地続きになっている空気感が伝わってくる。8月31日という期限が常に背後にあることで、何気ない日常の一場面にも淡い緊張が滲んでいるのが印象的だ。
連載中・全28話、すでに22のフォロワーを集める人気作。幽霊との残り時間というモチーフを通じて「出会いと別れ」を丁寧に描く、切なさと温かさが共存する一作だ。