愛らしい魔法使いの物語

120話全て読ませて頂きました。
みっくんという5歳の魔法使いを目指す日々を描いた、とても心温まる作品でした。
作者様の文章からは、子どもの純粋な視点と無邪気な喜びが伝わってきます。
「ふわふわ」「きらきら」といった擬態語が織りなす独特のリズムは、まるで童話の世界にいるような不思議な魅力があります。
特に、みっくんが仲間たちと一緒にお料理を作ったり、季節の行事を楽しんだりするシーンは、読んでいてほっこりと心が温かくなりました。
とらさんやうさぎさん、そして新しく加わったまーくんとの友情も微笑ましく、子どもらしい喧嘩と仲直りの描写にはくすりとさせられます。
お母さんの優しさや村の人々の温かさも、この作品の大きな魅力のひとつですね。
文体は非常に個性的で、みっくんの幼い語り口がそのまま文章になっているような感覚があります。
これは好みが分かれるかもしれませんが、キャラクターへの愛情と丁寧に紡がれた日常の描写からは、作者様の深い愛情を感じることができました。
癒しを求める方、純粋な気持ちを思い出したい方におすすめしたい、心優しい作品です。
普段は静謐な純文学作品を中心に読んできましたが、今回初めてWeb小説ならではの自由で型にはまらない表現の魅力に触れることができました。
既存の文学の枠組みを超えた、新しい物語の可能性を感じさせてくれる貴重な作品との出会いに感謝です!

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