第50話 「筋肉で出来た脳を持った人々」

今日は、これからどうするかを考えることになった。


特に聖騎士団とその家族約4万もの人々の生活をどうするかが問題となっていた。そこで、クーサリオンとオークキング、クラリス、ライデン、そして、ドレファスを集めて打ち合わせをしていた。


やはり13峠の向こう側では、魔物たちの覇権争いが激化しているそうだった。それは、覇権争いに加担していた魔王達が、突如、何もしなくなったことにより、これまで、魔王系列で統制されていた覇権争いが群雄割拠の状態になっている。


その戦火は、13峠のふもとに城まで及んでいて、時々、オークとエルフが住む町にも侵攻してくることがあったと報告を受けている。


「でしたら、フリージア様、彼らを我が村で暮らして頂けないでしょうか?基本的には冒険者として活動をして、襲って来る魔物がいれば守ってもらえれば、なんとかなるかと」


つまりこうだ。普段は冒険者として動くが、いざ、戦火が来た場合は、防衛軍として参戦してもらう。そのことによって、生活の保障を行うと言ったものであった。


そこへオークキングからある提案が来た。


「いっそのこと領土拡大を図られては如何かと、実は、前の戦いでシュヴァルツヴァルトの森の中央に巨大な湖ができまして、あそこは食料が豊富にあります」


「ふーん、前の戦いって、凄かったんだね。湖ができるなんて」


「!」


私が驚いているとみんなが言葉を失っている。しかも、みんなは私の方を見ているようなんで、私が視線を合わせると逸らしてしまう。なんだろ?これはライデンに聞いてみるか?


「ライデン」


するとライデンは咳払いをした。


「クラリス殿、今のオークキングの提案は如何かな」


あっ、ライデンのやつ、私を無視した。ジーと睨んでやると再び咳払いをしたら、クラリスさんが


「聖女様が出陣されるのであれば、問題ないかと」


「え?どういうこと?」


ライデンは、軽くうなずいている。


「確かに、聖女様が出陣されるのであれば、確実に勝てます」


全員の視線が私に向かった


「ほえ?わ…わたし?」


「そう」


こうして私の出陣が決まった。








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