第1話冒頭の噂の語り口が巧みだ。
「このゲームには『裏ボス』と呼ばれるプレイヤーがいる」——詳細不明、ランキング不在、それでも高難易度モンスターの初討伐者として名が刻まれ続けている。その謎めいた存在感の演出が巧みで、読者を一気に引き込む。
そして現れる白銀の九尾狐の美麗なアバター・イザヨイが、巨大ドラゴンをたった一刀で翼を斬り落とし、一切被弾せずに討伐するシーンの爽快感は格別だ。
その直後に「待たない。俺は有名になろうと思ってやってるわけじゃないし」という独白が入り、美麗で神秘的なアバターの中身が実は「ネカマがバレたら最悪」と焦る男の子だと分かる落差が最高に笑える。
最強の『裏ボス』と、正体を隠すために始める初心者サブキャラという二足のわらじ設定——これは続きが読み止まらない。