ユーレイじいちゃん

天天空空

第1話 じいちゃんが死んだ

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僕達家族には秘密があります。


じいちゃんが死んでから生まれた秘密…


絶対誰にも言ってはいけない秘密…


でも多分、多くの人達が本当は知っている秘密です。

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家族を紹介します。

父、西城健斗 45歳

母、りん 42歳

じいちゃん、神宮寺亮三 75歳

ばあちゃん、花 70歳

そして僕、西城ユイ 15歳



僕は小さい頃からじいちゃんが大好きで、いつもべったりだった。

じいちゃんは、見た目はイカつくて強面だけどいつもふざけた事ばかり言って皆んなを笑わせる。

僕のような子供の話しでも真面目に聞いてくれるし、自分の悩み事も本気で僕に相談する人だ。

僕の授業参観には母さんよりも先に、いつも1番で教室に入って来る。僕の友達の間でも人気があったし、そんなじいちゃんが自慢だった。

学校の事や、母さん達には話せない事も、じいちゃんには何でも話せた。

色んな所にも連れて行ってくれたし、僕のしたい事には何でも付き合ってくれた。

本当に本当にじいちゃんが大好きだった。



それなのに、じいちゃんはある日交通事故で死んでしまった。


突然のことで僕は悲しくて悲しくてどうしようもなかった。

もう一度でいいからじいちゃんに会いたいと願っていた。


家族の皆んなも毎日泣いていた。


そしたら、じいちゃん帰って来たんだ。

ユーレイになって……



〜〜ちょっと前の話し〜〜


「宝くじ当たったぞ!300万だ!」


じいちゃんがリビングで叫んだ。


僕は部屋から飛び出した。

「うっそ⁈本当に?じいちゃん!」


「お父さん本当⁈見せて見せて!」

母さんも台所から飛んで来た。


「おう、本当だ!見てみろ」


じいちゃんが差し出したスクラッチの宝くじを、僕と母さんはよーく確かめた。


「本当だ!当たってる!」

僕と母さんはとても興奮した。


「300万円なんて大金、当たったりするんだね」

ばあちゃんもまじまじと当たりくじを眺めている。


「お父さん、いくら分買ったの?」

「200円のを10枚だ。2,000円が300万に化けたぞ!」

「さすがじいちゃんだ」

「さすがじいちゃんだろ?ユイのじいちゃんはすげーんだぞ」


「信じられないわね〜。お父さんいつもハズレてばっかりだったのにね笑」


そこへ父さんが帰って来た。

「ただいま〜」


「父さん!じいちゃんがスクラッチ当てたんだよ!」

「そうなのよっ300万!すごくない?」


僕と母さんは興奮気味に報告した。


「えっ⁈本当ですか?お義父さん!すごいですね!スクラッチで高額当選なんて中々ないですよ。本当にすごいなぁ」


父さんもスクラッチくじを見ながら驚いてる。


「たまたまな。散歩の時になんとなく買ってみただけなんだけどな。まさか当たるとはなあ〜」


じいちゃんはまあまあなドヤ顔で言った。


「お父さん、何に使うの?欲しい物とか何でも買えちゃうよ」

「そうだな、まずは皆んなで旅行にでも行くか」

「やったあ、さすがお父さん」

「皆んなで旅行なんて久しぶりね」

ばあちゃんも嬉しそうだ。


「じいちゃん、僕はディズニーランドに行きたい」

「そうか、じいちゃんも行ったことないからな。一度行ってみたいと思ってだぞ。滝の上から落ちるやつ、あれに乗ってみたいよな」

「じいちゃん乗れるかな?すっごい速さで落ちるんだよ」

「そりゃあヘイキノヘイザよ!なんも怖いことなんてないさ!」


「温泉もいいわよね、お母さん」

母さんがばあちゃんに言った。


「昔皆んなで行ったあの温泉にまた行きたいわね〜。露天風呂が素敵だったわ」


「お、昔みんなで行ったバイキングがある所だな?あそこのステーキは最高だったな。健斗君もたまには仕事休んでゆっくりしようや」


「そうですね、お風呂上がりの生ビール…いいですね〜」


そんなこんなで盛り上がっている時にじいちゃんが笑いながら言った。


「こんないい思いさせてもらって神様に感謝感激雨あられだな。しっかし、神様の奴、何かとんでもない見返りをよこせって言ってこないだろうな。なんかこえーよな。ははははははっ…」


……………


意外にも、神様はすぐに見返りを求めてきた。

じいちゃんの命という見返りを…

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