頼もしすぎる守護霊たち

 心霊現象に関して地元でちょっと有名な人、Aさんの話。


 学生時代のAさん、やはり大学生の定番か、友人たち数名で有名な(しかも悪い意味で)心霊スポットに肝試しに行く事になりました。

 そこで起こったことの詳細は聞いてませんが、参加者のほとんどが大なり小なり何らかの霊現象に見舞われてしまい、Aさんだけが本当に些細な異変すら起きないまま肝試しを終え、拍子抜けしていたそうです。


 後日、起こった事が事のため、全員でお祓いのしてもらえるお寺に行くと、御住職がAさんを見て苦笑いをしていたそうで、話を聞くと。


「そちらのお嬢さんの守護霊たちが凄くてね。おっかないですよ」


 何でも、メンバーの大半が何らか妙なモノをくっつけて来ている中、Aさんの周囲には銃と刀で武装した男達の霊が十数人、ボディーガードのごとく周囲を固めていたそうで、その警戒ぶりに笑いを堪えるのが大変だったと。


 何か心当たりは無いかと聞かれて、多分……とAさんが語ってくれたのが以下の内容。


 Aさんの実家の裏にはちょっとした史跡があり、そこはかつて戊辰戦争の際に戦闘の行われた場所の一つで、戦死者を祀っていたそうです。戦闘といっても小競合い程度で、死者も50人に満たないものだったそうですが。

 その戦死者の一人がAさんの祖母の家系にあたる人物らしく、Aさんも幼い頃から信心深い祖母に連れられて毎日のようにお参りしていたそうです。


「たぶんご先祖様とその部下か友人か、何人かが護ってくれてるんでしょうけど、お坊さんの話だとだいぶ過保護ですよね。そのあとすぐに一度地元に帰って御礼参りしてきました」




 

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