あなたは、あの頃の仲良しな友達と過ごした時間を覚えていますか?
小学六年生の夏休み。広大な海に飛び込んだり、夢中で虫を追いかけたり、ゲームに熱中したり。うだるような暑さの中、時間を忘れて日が暮れるまで友達と遊びませんでしたか?
ほかの子供よりちょっと冷めた主人公の隼人、とっても元気でアホな大地、臆病で内気な博の三人組。小学六年生最後の夏休みに三人の男児だけで玖津ヶ村という、海と山のある田舎に旅行へ行くことに。
彼らはその村で一人の子供、しゅうちゃんに出会い、四人で最初の日を満喫します。
しかし、彼らが出会ったのはそれだけではありませんでした。
ジュブナイル、ホラー、クトゥルフ神話、そしてギャグコメディ。さまざまな要素が見事に融合した物語です。私自身、ホラーは大の苦手なのですが、途中途中で挟まれる彼らの会話劇に、腹を抱えて笑ってしまうほど最後まで読むことができました。そして、一度読みだすと絶対に抜けられないテンポや展開。気づけば最後まで夢中でページをめくっていました。
笑いも涙も、恐怖も懐かしさもすべて楽しむことができました。甘酸っぱくてしょっぱくて、もう一度あの頃に戻りたくなり、思わずアルバムをめくってしまいました。
もうあの頃に戻ることはできない。友達とバカやって、笑って、ふざけて、ケンカして.....。
ぜひこの物語を読んで、あなたの大切な思い出を呼び起こして、時間や、人と過ごすことの大切さを感じてほしいです。
【レビューコンテスト応募】
まさしく、大人が読みたくなるジュブナイルでした。
小6のデコボコ仲良し三人組が、夏休みに親戚の民宿に遊びに行くといういかにも子供らしい冒険から始まります。
ひと夏の憧れに出会うなどいかにもなエピソードから急転直下、神との戦いに巻き込まれます。
クトゥルフ神話をベースとしているお話ですが、何となくの単語しか知らない知識不足の人間でも楽しめました。
オリジナルの神話ではない故のしっかりした地盤やそれ故の恐ろしさを感じます。
他の王道なクトゥルフも手を出してみようかなと思います。
三人共個性満載ですが、特に大地のアホさ加減は世界を救えるレベルです。
物凄く笑えました。
子供の頃のあの冒険心に浸りたい方は是非どうぞ!
現実的でどこか冷めてる梅原隼人、頭はいいけど遠慮がちな石岡博、ともかく体力バカで元気な佐藤大地は友達だった。
小学生最後の夏休み、彼らは子どもたちだけの旅行を計画し、”ノーコンテンツヴィレッジ”な玖津ヶ村までやってきた。
佐藤大地の遠い親戚が営んでいる旅館に泊まるため。
しかし、彼らが訪れた玖津ヶ村には大きな秘密があったのだ。
知らずに巻き込まれた彼らは、やがて世界の平和を脅かすような大事件に立ち向かっていくことになるのだった。
はい、佐藤大地君です。
兎にも角にも佐藤大地君です。
三人の少年+主要登場人物のそれぞれがキャラが立ち、役回りも明確ですが、佐藤大地君なくしてこの物語は成立しえないのです。
それはなぜか?
読めば分かります。
いや、隼人君も博君もいないと成立しないんですけどね。ちょっと大げさに言ってみただけです。
とりあえず、飲み物を飲みながら佐藤大地君を読んではいけないことだけは明白です。
ともかく性格の違う三人組が、あの頃の男の子特有の甘酸っぱい経験をしたり、時には大喧嘩などもして、なんだかんだ協力し合って脅威に立ち向かい、そして最後の事実に驚愕を禁じえない、質の良い少年冒険譚でありました。
あの夏の日の冒険に浸りたい皆様にお奨めです。
底なしアホの原始人、周りが見えすぎる生意気少年、臆病なムッツリスケベ、クソガキ三人組が小学生最後の夏休みを満喫しようと訪れたのは、海と山しかない小さな田舎村。
畳に障子、ブラウン管テレビに扇風機というレトロな宿で出会ったノースリーブの女の子と海で泳いで駄菓子屋に寄って、ドキドキな夏休みが始まるのかと思いきや……
あまりにも不穏な昔話、取り返しのつかない選択、宿に戻ってみれば奇妙なお札がびっしり張られた部屋、決して開けてはいけない襖。その夜悲鳴とともに海の底から現れたのは……みんな大好き『深きもの』。少年達はいつしか深淵を呼び寄せてしまっていたのです。
廊下に迫る濡れた足音、壊れたラジオのように繰り返される声真似、地下から迫る轟音、一枚また一枚と破られていくお札……焦燥と恐怖と絶望の中でもやっぱりアホで、やっぱり生意気で、やっぱり臆病な三人組は一筋の光を頼りに強大な魔に立ち向かう。
クトゥルフ神話の絶望感と少年達の勇気が織り成す恐怖の夏休み、ぜひご一読ください。