サビアンシンボルという難解になりがちな世界を、これほどまでに親しみやすく、かつ深みを持って描き出す著者の感性に感動しました。
心静かに「永遠への挑戦」や「意志なき水滴の真実」といった美しい言葉に浸るポエム。
その直後、ジョークパートで「杜撰(ずさん)な雷」や「ブラックな先祖委員会」といった癖のあるキャラクターたちに思わず笑わされるジョーク。
この鮮やかな「温度差」が、読み手を飽きさせません。
これは単なる星読みではなく、血の通ったリーディングです。
著者のペンによって、一度ごとのシンボルが命を宿し、輝きを持って立ち上がってくる……まさに極上の「物語」です。
【応援レビュー】
『サビアンシンボルとタロットカードの詩的遊戯集』(悠鬼よう子)
読みやすく、それでいて幻想的──
この詩集のような物語世界は、占星術とタロットという神秘を繊細な言葉で織り上げた、まさに“詩的宇宙”そのもの。
全72話という大作にも関わらず、私は2日かけて一気に読了しました。夢中にならずにはいられなかったのです。
各話は、サビアンシンボル1度ごとの象徴に詩とタロットの解釈を重ねて展開されます。
特に、水瓶座1度「古いレンガ造りの伝道所」では、風と石という対照的な存在が静かに語り合い、時代の記憶と祈りを読み手の心に残します。
また、魚座24度「人の住んでいる島」では、海と島のあいだに漂う“生命の気配”が、言葉少なに詩情を描いて見せました。
この作品は、象徴の力を信じるすべての人に贈る、密やかで美しい旅の書です。
言葉のリズム、象徴の呼吸、タロットの静かな告白──
どれもが、“詠まれるのを待っていた”かのように、ページの向こうから語りかけてきます。
幻想と知性、詩と霊感が絶妙なバランスで交わるこの作品を、どうか多くの読者が手にとってくださいますように。