sideB

アイはまもるの命令通りに改札を通り、ホームに立ちました。

他にも待っている人はいましたが、誰も彼女を気にとめる人はいません。

そうこうしていると、アナウンスが鳴り、電車がきました。

ドアが開き、アイは乗りました。少しだけ辺りを見渡し、空いている席を見つけますと、そこに座りました。

他の人みたいにスマートフォンを触るような事はしないので、ただジッと正面を見ていました。

ベルが鳴り、発車しました。

アイはガタンゴトンと揺られていました。

一駅、二駅、三駅――を過ぎた所で、突然、アイが隣をみました。隣には、誰も座っていませんでしたた。

ですが、アイは何か気になる事でもあるのか、何も言わずにジッと見ていました。

すると、彼女の瞳に、一瞬ですがまもるの姿が見えました。

が、すぐに消えてしまいました。

アイは一回、二回とまばたきしました。

三回目で、また彼が現れました。

「今日も頑張りましたね」

今度は彼女に話しかけてきましたが、またすぐに消えてし

アイはまた一回、二回とまばたきしました。

そして、三回目でまた彼が現れました。

彼は先ほどのスーツではなく、クリスマスの時に来ていた紺色のコートを着ていました。

「今日は渡したいものがあるんだ」

彼は

彼女の頭の中に彼との思い出が過ぎっていました

次から次へと記憶がフラッシュバックされた後

彼女は彼の名前を呼びました

頬には何故か一筋の涙の跡がありました

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【短編】AIとの恋 和泉歌夜(いづみかや) @mayonakanouta

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