第15話 審判

 筆者の空野猫です!!

 五ヶ月ぶりの更新でございます...

 大変遅くなりましたが前回は九ヶ月ぶりだったのでまだ早いほうかと((どっちにしろ遅いのには変わりないですね

 これからも筆が遅くなりつつも頑張っていきますので温かい目で見ていってください...!

 ―――――


「ただいま〜...」


 推しのライブ中、ずっと盛り上がっていて休憩を忘れていた俺は、足をクタクタにさせながら玄関を上がった。


「おかえり、しず。」

「おー...って、零!?ってことは...江留も...?」

「うん、僕もいるよ。」

「えぇ...勝手に入ったのかよ、俺の家に。」

「まぁねぇ、ってか、しっかり呼びかけても返事が無いもんだから心配して入ったんだよ?そしたらしずの靴がなかったし...」

「悪かったな、出かけること言ってなくて。」

「もー!!まぁ、誘拐されたわけじゃなかったっぽいし、安心したよ。」

「あはは、...普通にありそうね。しずって貧弱そうだし」

「悪かったな貧弱そうで。」


 玄関の扉の隙間から漏れている光を完全に閉ざし、靴を脱ぎながらいつものノリで話す。


「ところでしず、どこいってたの?」


 ギクッ

 零のその発言で、詩月は一瞬硬直するが、何でもなかったかのように靴を揃え始める。


「ちょっと近所のスーパーでアイス買って食べてただけだ。」

「レシートは?」

「...捨ててきた」

「アイスはどこの製品?」

「あ゛ー...製品は覚えてねぇ、適当に買ったし」


 この流れだと、「何味か」「なんて名前のアイスか」と聞かれそうだったので、先に答えを考えておく。


「聞かれそうだから先に答えておくが、味は普通にバニラとメロンソーダ味。名前は爽。CMでやっていたから美味しそうって思って買っていったんだよ。」

「ふぅん...」


 まだ疑ってるのか、俺の目をまっすぐ見てくる零と江留。

 やめろ、罪悪感で目を逸らしちまいそうだろ。


「まぁいいや、どこにいったかなんて...それより、私達...ちょっとしずの部屋に入ったんだけどさ」

「え?!おい、絶対入るなって念を押したよな!?なんで入ってんだよお前ら!?」

「ごめん、零の好奇心に負けて...」

「いや江留でしょ!?」

「えぇ!?」

「そ、それで、何も壊さなかったか!?大丈夫だよな!?」

「え?あ、壊してはないけど。なんかフィギュアたくさんあったよね。しずってオタクなの?」


 その零の言葉に、一瞬詩月はポカンとする。


「え?あ、うん。そ、それより、俺の部屋にキラキラと光った石を触ったりしてないよな!?あれ大切なものだから...」

「え?そんなものあったっけ?」

「パッと見た感じなかったよ?」

「そ、そうか...(よかった...)」


 詩月は、その二人の言葉を聞いて、ホッとして胸を撫で下ろした。


「その石、なにかあるの?」


 その言葉で詩月はハッとする。こんな抽象的だろうと、少しでも見た目を言ってしまったから、また興味本心で自分の部屋に侵入しかねない。

 しばらくあれを隠しておかなければ。


「わりぃ、俺ちょっと用事!!」

「ちょっと!!なんなのその石って!!」

「僕達にも教えて!?」


 詩月は止める二人を無視し、急いで階段を駆け上がり、二階にある自分の部屋を開け、キラキラした黄色の石を引き出しから出す。


「ど、何処に置こう...あ」


 詩月が目を着けたのは、子犬くらいの大きさの犬のおもちゃ。


 この犬のおもちゃ、確か口の中が収納できるスペースがあったはず。この中に石を入れて、他にも沢山適当な石をあとから詰め込めば、入口がただでさえ小さいので、外から見えることは無いだろう。


 その犬のおもちゃの口に石を放り込んだ瞬間、部屋の外から階段を駆け上がる音が響く。


(まずい、このままだとこの犬も見つかる...とりあえるベットの下に置いておこう。)


 犬を抱え、ベットの下の隙間に隠し、それと同時に詩月はベットにダイブした。


「しーずきっ!!はいるからねーっ!!!」


 という声と、ドンッという音ともに、零と江留が入ってきた。


(初めて会ったときから、俺に対して勢いが増してないか...?)


 そう現実逃避を試みるも、そうはいかずにずかずか入ってくる二人。


「んー...特に変わったところはないなぁ。」

「そだね。」

「...大切な形見なんだ。触られたくないんだよ。」

「形見?...家族の?」

「家族...みたいなもんだな。」

「ふーん...」


 零と江留をベットの中から横目で見ながら、背を向ける。


(...元気にしてるかな...)

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無機物の心 空野 猫 @soranoneko

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