第14話 駅
俺の家の近くには、駅がある。
駅は...とても、うるせぇ!!!!!!!
「あぁ憂鬱だ...なんでよりによって駅を使うことに...」
何故駅を使うかって?推しのライブがあるからだ!!!!
なんて言うことを独り言でつぶやくと引かれかねないので、愚痴だけを溢していく。
ちなみに江留と零は居ない。あいつらには来てほしくないんでね。
「勿論無機物はいるよな...」
改札にエスカレーターにエレベーターに、駅のホームの椅子や自動販売機など、様々な無機物が多くある。電車も動く無機物だ。
更に、俺は動物を見ると癒やされるが、犬などの動物は小さいケースに入れなければならないので、ケースに入れられてたら見れない。
つまり地獄!ゲームオーバー!!俺の人生ここで終了!!!
...には流石にならないと思う。そう願いたい。
鼓膜が破れる前に電車が来てほしいとこだが...
今の時間は12:38だが...
電光掲示板には。《12:42に電車が参ります》とかいてある。
4分か...まぁまぁかかるな。
◯―――――◯
ようやくついた...
「推しのライブ会場ーーーーー!!」
(どれだけこの日を待ち望んでいたことか...!!)
俺の今いる場所は会場の真ん中の少し手前。
顔もしっかり見えるくらいの超丁度いい場所である。
我ながらラッキーだぜ。
事前に用意したペンライトを持つ。
そろそろライブが始まるのだ―――――...
◯―――――◯
「しずワン〜...あれ、居ないワン?」
「おかしいニャン。しずニャンなら今頃お昼寝してるはずだニャン。」
「何かあるのかワン...?」
江留は詩月に出会った時に使った、2つ目の能力、浮遊を使う。
彼は2つ能力がある珍しい犬(人間)なのだ。
江留は詩月の家を出て、周りを探索すると...
「あれ、詩月が珍しく駅にいるワン。」
詩月が電車に乗る直前の事だった。
江留が詩月を見つけたと同時に電車の扉が閉まり、発車した。
「何をしに行ったかは知らないワンが、何かしたいことがあるのワンか...?」
疑問に思った江留は、詩月が帰ってくるまで待つことにしたのだった。
「江留〜どうだった?」
詩月の家に行くと、人間姿になって詩月のソファーに寝転ぶ零が居た。
「しずは、電車でどっかに行った」
江留も人間に戻った。
彼も彼女も人間の方が何かと動きやすい。
だが、犬と猫に化けていたほうが小回りがきくし、犯罪に遭う可能性は低い。
だがここは詩月の家だ。人間に変わっても犯罪に遭う可能性は無い。
「電車ね〜...楽しい場所に行くのなら良いのだけど。」
「あ、折角だしさ、しずの家を探索しないか?」
「いいねそれ!」
本人が居ない今、詩月の家を探索出来る。
江留も零も未探検の事には興味を唆られるのだ。
「まずはしずの部屋行こう!」
「あーしずって確か自分の部屋に人を入れるの好きじゃないって言ってたな。」
「私個人的に気になってるのよね〜...人に言えない秘密とか詰まってるかもだし!」
「...なんか零を僕の部屋に入れたくなくなるんだが...」
「なんで!?」
「あ、ここだったよな、しずの部屋って。」
「うん。確かここを開けようとした時にしずに止められたんだよね。」
「あー。確か『ここはゼェェェッッッッッタイに、開けるんじゃねーぞ!?!?』って言ってたな。」
「今考えてみるとフリみたいよね。」
「じゃ、入るか!」
江留は詩月の部屋をガチャという音とともにドアを開けた。
そこにはグッズのような物が大量に並べてあったのだ。
「え、何これ?」
「これ...どっかのアイドルかなんかか?」
詩月の部屋には、沢山の同じキャラクターのグッズがあった。
ところどころ別のキャラクターもあるがやはりほとんどが同じキャラクターだった。
「もしやしずって...オタk」
「黙れ零。」
「このキャラ、どっかで見たことある気がするんだよね〜」
「うん。」
キャラの見た目は、水色の髪の毛にツインテール。黄色の王冠を被った水色と緑色のオッドアイをしている。
名前は音恩ルルと画像検索で出てきた。
「ルルか...へ〜」
「しずってやっぱオタk」
「黙れ零。」
「オタって言うくらい別にいいでしょー!」
―――――
作者の空野 猫です!!!
なんかいつのまにか9ヶ月ぶりの更新になっていました...
申し訳ございません...
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