「殿下！ラズベルト王太子殿下！！」

魔法の訓練をしていたとき、私は魔法の暴発による身体的ショックで思い出した。

私の名前はラズベルト・ガゼル。そしてここは大人気乙女ゲーム「マジカル☆ラヴァーデスティニー」の世界である。なぜ、そんなことが私にわかるのか。それは―――

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「はぁぁぁ、やっと買えたぜー！」

俺はあの乙女ゲー界隈で1番の人気を誇る、『マジカル☆ラヴァーデスティニー』の続編、『マジカル☆ラヴァーデスティニー２』を抱え安堵の声を漏らした。俺が乙女ゲームにハマったのは妹がリビングの大画面で乙女ゲームをやっているところを見たことがきっかけだった。そんなこんなで今に至る。数多なる乙女ゲーを攻略しまくってついた渾名は ”恋愛マスター” 。それなりに友人もいて、成績も悪くない、乙女ゲーム好きの普通の男子高校生。それが俺、春灯（はるひ）刻（とき）だった。

「うわ゛ぁぁぁぁぁぁぁあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞっっっっっ！！！！！」

放課後の夕焼け空の下でランプが光るトラックが迫ってくる。そこで俺の記憶は途切れていた。

そして気づいたらこの身体になっていた。いわゆる異世界転生である。

いやー、にしてもイケメンだ。さすが女性人気１位の正統派王子、ラズベルトだな。

「失礼します、殿下。お着替えを持ってまいりました。」

そう言って来たのは王子のお目付け役兼護衛、アレクだった。

「あぁ、ありがとうアレク。」

「にしても、魔法の暴発なんて殿下にしては珍しいものですね。何かあったのですか？」

「それが、突然物凄い頭痛がして…それに気を取られてしまったようだ。最近、学園への入学準備や勉強で忙しかったからかな」

中身がただの男子高校生であることがバレないようにしなくては。………いや、無理、無理無理無理。だって俺、元ただのオタク男子高校生だし！！異世界転生は憧れだったし嬉しいけど王子様なんてできるわけないだろぉぉぉぉー！！！！！

そんなこんなで春灯 刻、もといラズベルト・ガゼルの波乱万丈な異世界生活が始まることとなった。

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読んでくださりありがとうございました。あきづ。と申します。ただの一般学生でなんの知識もなく書きたいものを書いていますので拙い部分もあるかと思いますが温かい目で見守ってくださると幸いです。