第12話 太陽はまだ曇る
最近、心がもやもやする。なおちゃんとれいちゃんが一緒にいると特に。
絶対そんなことはないのに。
なおちゃんは私の気持ちを知っているし、応援してくれてる。
でももしかしたら...。そんなことを考えると止まらなくなってしまう。
「ねえ、ひーちゃん、本当に大丈夫?私の家来る?」
なおちゃんと別かれて、今は二人っきり。れいちゃんがお家に誘ってくれた。
「うん、行く」
もやもやしたままの私は少しぶっきらぼうに返事する。
それから一言も喋ることなくれいちゃん家に着いた
「さ、あがって。なんにもないけど」
「うん、おじゃまします」
1週間ぶりくらいのれいちゃん家、少し緊張する。
リビングに案内されて座って待っていると、
「はい紅茶。ひーちゃんの好きなやつ、たまたま見つけたから入れてみたんだ」
れいちゃんが私の大好きな銘柄の紅茶を持ってきた。
ほんとうにこの子は...こういうところに私は惚れたんだろうな。
れいちゃんは本当にいい子だ。約束は守ってくれるし私が困ったらすぐに助けてくれる。
本人はお返しだからと言うけど、私はそこまでのものをあげれていない。
たしかにれいちゃんは自分から喋るタイプじゃない。
でも少しのきっかけがあれば誰とでも打ち解けられる。
そういう子だ。私はきっかけをあげただけ、あとは彼女の頑張りだ。
まるでその頑張りも私の手柄にしてるみたいで少し嫌になってしまう。
「ねぇ、最近ずっと暗いけどなにかあった?本当に大丈夫?」
もやもやと考え事をしていると彼女から話しかけてくれる。
「大丈夫だよ!本当に!」
だめだ、この優しさに甘えてはいけない。もし一度この想いが溢れたら止まらない、止められなくなってしまう。
もしそうなってしまったら、もう彼女と一緒に居れなくなってしまう。
せっかく彼女が私に会いに東京まで来たのに、その努力を無駄にさせてしまう。
「ひーちゃんがそう言うならいいけど...」
れいちゃんは少し寂しそうな顔でそう言った。
この気持ちはどうすればいいのだろうか。私にはわからない...。
星を見た少女 シューマ555 @syuma5689
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