第6話 従者の男
舞踏会から数日して、ミラベルがザカリー王子のお茶会に呼ばれたので、侍女として同行することとなった。
ザカリー王子とミラベルが楽しそうに過ごすのを離れた場所で見守っていると、すぐ横に人がやってきた気配を感じた。
「へぇ、こんなところでまた会うとは」
皮肉をこめた物言いに、横にいる人を見上げると――
すぐに正面を向いて、なんとか平静を保とうとするも動揺を隠せない。
とんでもなくまずい状況だった。
明らかに侍女と見てわかる身なりの自分ではもう言い逃れができない。
わかってはいたけれど、それでも一縷の望みをかけて言ってみた。
「あの、どこかでお会いしましたか?」
「『お会いしたこと』をこっちはよく覚えてるよ、ローズ」
横に立っていたのは、あの舞踏会の日、中庭で会ったエルランド王子の従者の男だった。
「さて、どう言うことか説明してもらおうか?」
男は意地悪そうな笑みを浮かべて言った。
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