第24話 天罰 1/2*小鳥*
狩りをやり遂げたから、琴葉の様子が気になって村に下りてきた。
そしたらさ、村長を筆頭に村人たちが土足で
「うーわ」
私一人 vs 村人数人。
流石に分が悪い。
優ちゃんは森でなんにも知らずに音葉と遊んでる。
あの子には聖が言い聞かせてたからね。
絶対に村に戻らせるなって。
「ギャァァァァァァァ」
村中に響き渡るんじゃないかっていう悲鳴。
「あらら」
可哀想に。
「小鳥さん」
「わっ、琴葉じゃん。びっくりしたぁ」
「すみません」
彼女は隣に女性の悪霊を連れていた。
「初めまして」
「あっ、どうも」
丁寧な悪霊だなぁ、おい。
「小鳥さん、村長の家燃えてます」
「あ、うん。見えてる」
あんだけ派手に燃えてんだから。
「あと、今そこで燃えているのは」
琴葉が家を指さした。
村人たちが泣きながら出てきてる。
「村長だそうです」
「へー……え、マジ?」
「マジです」
何故か悪霊が答えた。
今更だけど、この霊は喋ってくれるタイプなんだね。
「御神体を気味悪がって燃やそうとした村長が燃えました」
「なんじゃそれ」
面白すぎる。
琴葉なんてめっちゃ笑ってるよ。
普段全然笑わないのに。
こりゃ珍しいもん見れたわ。
じゃなくて!
「それってさ、燃え広がるんじゃないの」
村長単体だけ燃えるなんて……、
「大丈夫です。村長単体だけ燃えるように悪霊たちが力を合わせています」
有り得たわ。
「なんじゃそれ」
ダメだ。
冷静に言ってるように見えて、女性悪霊は笑ってるし、琴葉も笑ってる。
勿論私も。
「少し燃えた跡が残ってしまうかもしれませんが……」
申し訳なさそうにする女性幽霊。
なんかもう全部が笑いのツボだわ。
真面目に話せない。
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