その6 めんどくさがり、特殊クエストを出す
「あ゛~~~~~」
あれから2時間。ご飯のための休憩をはさみつつアタッカーの捜索にいそしみ、アタッカーとしてワーン平原で出るラビット、ウルフ、ボアの3種類のうちのどれかにしようというところまではいった。だが実際にテイムするために戦ったところで問題が発生した。
まずラビット。一番最初に候補に挙がったモンスターではあったが、めちゃくちゃ弱いので没になった。スライムと比べればマシではあるが、それもスピードがある程度あるだけという差であり、アタッカーを任せるには至らない。
途中、角の生えたホーンラビットというレアモンスターとも遭遇したが、ホーンラビットの突撃でダメージを受けたら4割くらいごっそりと減ったので「テイムしてる場合じゃねぇ!!」となって逃げてきた。
次にウルフ。こいつは2~3体の群れで行動しているため、片方を抑えても残りがカバーするので戦闘中にテイムを行う隙がゼロ。戦闘に関しても後衛2人では詰め寄られてダメージを追うばかりで、逃げることしかできなかった。
最後にボア。こいつは戦った時点で「ダメだな.....」ってなった。こいつコマンドに全力突撃しかない。テイムモンスターに求めている前衛は完全なアタッカーではなく、ある程度敵の攻撃を引き付けることも必要になる。なので攻撃する度に後衛をほっぽりだすようなこいつに前衛を任せることはできないので、無事に素材と経験値になってもらった。そのおかげでレベルが1つ上がったのはうれしい誤算だった。
以上がこの2時間の成果であり、結果前衛を得ることができず、今に至るというわけだ。
「やっぱウルフよなぁ.....」
レアモンのホーンラビットを除き、戦った中で唯一弱さではなく強さの所為でテイムを断念した相手。テイムするならこいつしかない。しかし、このままやっても同じことの繰り返しになるので、ちょっと別方面からアプローチをかけてみることにする。
というわけで戻ってきました冒険者ギルド。確認を取ったら担当してくれた教官NPCは時間が空いているということなので、すぐにコンタクトが取れるようだ。不人気職ってこういう時は便利だよなぁ......
「どうした? 私に用とは珍しい」
「実はですね――」
そこで俺はライドモンスター関連でテイム希望のあるモンスターがいないかということについて話をした。
そう、別方面のアプローチとはウルフはウルフでも、「ライドモンスターのウルフ」だ。
飯休憩の間に攻略サイトを見たところ、ワーンで利用可能なライドモンスターにウルフの文字があった。どうやらワーンでは結構メジャーなライドモンスターであり、その数も結構多い。ならば1体くらいはライドモンスターよりもテイムモンスターとなることを望む奴がいると考えた。
そこで俺は冒険者ギルドにいるテイマーで唯一面識のあるこの教官に話をしに来たというわけだ。
「なるほどな。確かに今のお前のスタイルと実力ではワーン平原のウルフをテイムすることはほぼ無理だろうな。
手が出せる他のモンスターもスタイルを補完するに至らないなら、こちらに頼ってきたのも納得がいく」
多少話しただけでこの理解度。これが平均と考えるとNPCの思考とか結構すごいのではないだろうか。
「それならばちょうどいい。実はライドモンスターの担当から相談されていてな。遣い人関係で私は忙しい故、解決に動くことはできなかったが、この件はお前に任せることにしよう。話はこちらから向こうに通しておく」
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クエストメッセージ
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【特殊クエスト:ノットライド?】
テイマー教官ライチから、とあるライドモンスターにつ
いて相談を受けた。
ライドモンスター担当のイーレンから話を聞き、トラブ
ルを解決しよう。
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「譲ってもらえたらな~」くらいの軽い気持ちで話をしたらなんか特殊クエスト出てきたのだが?
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あとがきスキル解説
【解体】
倒したモンスターの肉体を分解し、素材とジョブ経験値に分解する。
レベルが上がるにつれて、スキルを使用する際のロスが減り、より質の良い素材やジョブ経験値を手に入れることができる。
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