第123話 消えたダンジョン

 次のエリアへ繋がる扉がない事を確認して、俺達は試練の間を後にする。出た後に扉が閉まると『スーッ』と扉が消えていく。


「えっ!試練の間へ入る扉が消えた……あれは試練の間じゃなく秘密の部屋で、クリアをすると役目を果たして消えるものだったのかな?」

「そう考えるのが正解かしら?ドロップした大太刀を鑑定すると答えが判るんじゃないかしら?」


 俺が独り言のように呟くと、パミュルは大鬼オーガが残した大太刀の鑑定をすすめた。あの部屋のドロップで魔石以外の物は大太刀だけだったので、俺は魔法鞄マジックバッグから取り出して鑑定する事にした。


【絆の太刀】女神セレスティアから魔人ロハへ授けられた太刀。オリハルコン製で所有者の意のままに伸縮し、その斬れ味は衰える事がない。対峙する者より強い魔人となり、その困難を乗り越えた者が所有者と認められる。


「これは……とんでもない太刀だよ。オリハルコン製で所有者の意のままに伸縮して、斬れ味が衰えないって……僕に〚刀術〛の天賦があれば最高だったね」


 俺が大鬼オーガだと思ってた魔人を倒したから、絆の太刀の所有者になってしまった。武術の天賦がない俺には勿体ない気がした。その事を口に出すと、ハリエットは首を横に振った後に優しく話しだした。


「ウォードなら使いこなせると思うよ。大鬼オーガを相手にあれだけ立ち回れるんだからね。〚幸運〛を使った戦い方を見い出せば良いし、それが出来るはずだよ?」

「〚幸運〛を使った戦い方か……確かにそうかもしれないね。武術系の天賦に頼らない僕だけの戦い方を試してみるよ。ありがとうハリエット」


 ハリエットとの話が終わってから、俺は絆の太刀を握りしめて振り易い長さをイメージする。



『シューッ』


 2m程あった太刀が短くなったので、両手で構えて軽く振ってみると少し重みを感じた。なのでもう1度軽く振ってみると、刀身が少し細くなり程よい軽さになった。本当に所有者の意のままになる事に驚いて苦笑いしてしまった。


「太刀の所有者を探す為の部屋だったんだね。さぁ、扉が消えた理由は判ったから帰ろう」

「「OK!」」


 戻る時にも試練の間を通らないといけない、そして迷路メイズエリアから普通スタンダードエリアへ戻る為の試練の間へ入る扉を開けた時に異変に気付いた。


「試練の間が無くなってる……」


 そう、試練の間ではなく普通スタンダードエリアに繋がっていた。驚きながら扉を通って扉を閉めると、先程と同じように『スーッ』と扉が消えていく。


「僕達がクリアした事で秘密の部屋に繋がる全てのダンジョンは消えていくのかな?」

「それは、初心者Newbieエリアに戻れば判るわね」


 俺が2人の方を向いて話し掛けると、パミュルが答えた。その通りだと思ったので、急がながら初心者Newbieエリアへ繋がる試練の間の扉を開けると、試練の間はなくなっていて初心者Newbieエリアに出た。通って扉を閉めると消えていった。


(役目を果たしたからエリアは消えるんだね)


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