第29話

一方、京たちは2グループの拠点の近くまで来ていた。


愛海

「あれが2グループの拠点…」


手越

「一旦ここで待機しよう」


京たちは2グループの拠点の手前で足を止め、突撃の準備をする。

京はかぎ爪付きのワイヤーを5つ取り出し、メンバーに1つずつ手渡す。

手越が皆の前に立ち、作戦を伝える。


手越

「あそこの壁をワイヤーでよじ登って拠点の中に侵入。そして一気に仁たちを叩く」

「ウルハはここで待ってろ。敵がもし近づいてきたら、即逃げろ」


ウルハはコクコクと頷いて答える。


「よし…行こうぜ!」


手越

「待て」


京が飛び出そうとしたところを手越が止める。

手越は遠方から誰かが来ていることに気づいたのだ。


手越

「誰かいるぞ…」


「どこ?」


手越

「あそこだ」


手越が指差した方角からショットガンを持った男の姿が僅かに見えた。


「あいつは……」


手越

「茂みに隠れるぞ…!」


京たちは木の裏や茂みに身を隠し、遠方に見える4グループを観察する。


盛北

「あいつら何でここに?あいつらは確か4グループだから1グループのキーが欲しいはず!?何故2グループのところに来たんだ?」


手越

「わからない…。少しここで様子を見よう」


京たちが4グループに気を取られている中、突然弓矢が飛んできた!!

盛北の背中に弓矢が1本刺さる!


盛北

「うっ!?」


手越

「盛北!!」


「皆俺の後ろに下がれ!!」

手越の後ろに京たちは下がる!


「痛むぞ!!我慢しろ!!」


京は盛北に刺さった弓矢を抜く!


盛北

「ッ!!?」


盛北は痛みに悶えている。

愛海は薬を取り出し、盛北にそれを飲ませる。


ヒユッヒュッ


複数の矢が飛んでくる!

手越は盾でそれらを防ぐ。


手越

「あいつらは…まさか1グループか!?」


「くそっ!先手を撃たれたか!?」


突如、矢の攻撃が止んだ。


足音が徐々に聞こえてくる。

どうやら接近戦に持ち込もうと京たちの方へ走って来ているようだ!


「こっちに来るぞ!!」


京たちはかぎ爪を取り出し、戦闘に備える!


1グループが京たちと目と鼻の先まで近づいたところで、突然銃声が鳴り出した!!


ダアアアアアアン!!!


1グループの1人のプレイヤーが銃弾を受けて倒れた!!


「なッ!?」


京たちは振り返ると、そこにはショットガンを持った男が立っていた!


ショットガンの男

「大当たり~!!」


ショットガンの男は続いて1グループのプレイヤーたちを次々と発砲していく!


ダンッ!ダンッ!!


1グループのプレイヤー4人の内2人が銃弾を受け、その場で倒れる!

残りの2人はショットガンの男から逃げていく!


ショットガンの男は残りの2人を追いかける!


ショットガンの男

「お前ら!その倒れた奴らがキーを持ってないか確認しろ!!」


4グループのメンバーたちは、倒れたプレイヤーにキーが無いか確認する!


手越

「一旦ここから引くぞ!」


京たちは1グループと4グループから離れることを選択し、その場から急いで離れる!


ダアアアアアアン!!!


銃声が鳴り響く!

ショットガンの男は1グループの残り2人を射殺した。


ショットガンの男

「やったぜ」


ショットガンの男は殺害したプレイヤー2人の手元にキーが無いか確認をする。


ショットガンの男

「無いな……」

「つーことは…さっきの奴らの誰かが持ってるのか」


ショットガンの男はさっきの場所へ戻っていく。


「待て!!」


京たちが仁を追いかけようとした時、仁の仲間の一人が手から大量の水を流し始めた!

その水は徐々に大きくなり、まるで洪水のように流れてきた!

京たちはその水で足止めされる!その隙に仁たちはアジトへと逃げ込む!


盛北

「うう…流される!?」


手越

「皆無事か!?」


「全員いるぞ!」


京たちはお互いに声をかけ、お互いの安否を確認した。

水がだんだん弱まり、京たちは身動きができるようになった。


盛北

「逃げられた…」


「まだ間に合う!行こう!」


愛海

「でもまたあの洪水を出されたらどうしよう…」


「俺がワイヤーを使って上から襲撃する」

「時間がない…あいつらキーを手に入れて先にすすんでしまうかもしれない!」


ウルハ

「急ごう!」


京たちは仁たちを追いかける!


ショットガンの男が1グループを追いかけまわしている最中、2グループが4グループを襲撃する!


4グループのプレイヤーたちは不意を突かれ、2グループのプレイヤーたちにやられていく!

4グループも対抗していくが、2グループの猛攻に耐えられそうにない。

京はその状況を察知し、皆に情報を流す。


「仁のグループが4グループの奴らを襲ってるぞ!!行こう!!」


手越

「おい!?本当に行くのか!?」


「もちろんだ。あいつらが4グループと戦って疲弊したところを叩く!」


一方、仁たち2グループは4グループを壊滅寸前まで追い込む!

大男が刀を振り回し、4グループのメンバーを次々と倒していく!


大男

「残り一人だ!殺せ!!」


大男は最後の一人を刀で突き刺す!


その場にいた4グループのメンバーは全滅した。

その時だった。仁たちの背後から京たちが襲いかかる!

京のワイヤーが大男を巻き付け、大男の動きを封じる!


大男

「何!?」

「こいつら!?3グループか!?」


仁たちは襲い掛かってくる京たちと対立する!

手越は盾で仁の仲間を殴り倒す!


大男

「こんなものッ…!」


大男は力づくで京のワイヤーをほどき、4グループのメンバー2人を担いでいく!

残りの2グループのメンバーも4グループのメンバーを連れて、アジトの方へと走り出す!




殺人鬼が元の場所に戻ってきた時には、

既に4グループのプレイヤーたちの姿は無かった。


ショットガンの男

「おいおい…誰もいねえじゃねえか!?」

「あいつら……しくったな。使えねえな」

「それともあれかあ?俺だけおいて先へ進もうってんじゃねーんだろうな?」



「まあ…まだ遠くには行ってないだろう」

「どちらにしたってもうゲームは終盤なんだ」


「皆殺しだ」

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