第23話

仁たちに襲われ、満身創痍の京はウルハを背負って先へ進む。


(畜生…きちぃ…フラフラする)

(この状況で鬼に襲われたら終わる…)


京は体力の限界を迎えていた。そしてウルハは気を失っている。

ただただ敵に遭遇しないことを祈り、ひたすら前へ前へと進む。

しかし、前方の方で鬼の雄たけびが聞こえてきた。


「くそ…この状態じゃ戦えない」

「おい!ガキ!!起きろ!!」


京は体を揺らしてウルハを起こそうとするが、ウルハは気を失ったままだ。


「グオオオオオ!!!」


どんどん鬼がこちらへ近づいてきていることがわかる。


「やるしかないか…!」


京は仁を下ろし、鬼との戦闘に備える。

鬼2体が京を襲ってくる!

京はかぎ爪で鬼1体を切り裂き、もう1体に体を掴まれるものの、

両手で鬼を掴んで投げ飛ばした!

鬼は壁に衝突し、意識を失う。


「…はあ……はあ。」


京は立っているだけでやっとの状態だ。これ以上は戦えそうにもない。

倒した2体からキーを奪い、ポケットの中に入れる。

そしてウルハを背負って先へと進む。


暫く歩くと、先程いた螺旋階段にたどり着く。


(戻ってきた……)


京は上を見上げ、鬼がいないか確認する。そこには何体か鬼が歩いていた。


(上はダメだな…下は?)

下には鬼がおらず、京は階段を降りていく。


(そういや牢屋の部屋をまだ見つけてなかったな)

(キーが揃ったとしてもあの部屋にたどり着けなければ意味がない…。どこにあるんだ?)

京は螺旋階段を下りていき、牢屋のある部屋を探していく。


「グオオオオオ!!!」


螺旋階段を下りている際に、1体の鬼が目の前に現れた!


(くそ!!またか!!)


京はかぎ爪でその鬼と戦うことにし、またウルハを下ろして鬼と戦う。


「うおおおお!!」


京は叫び、体にムチを打つ!

力を振り絞ってかぎ爪を投げる!

鎖が鬼へ巻き付き、鬼は手足が絞められ、その場で倒れる!

京は虹の玉からもう一つかぎ爪を取り出す。

そして鬼の顔面を突き刺していく!


「グオアアア!?」

鬼が悲鳴を上げる。


ウルハはその鬼の悲鳴で目を覚ます。

鬼の返り血を浴びて真っ赤に染まった京がウルハに近づく。


ウルハ

「うわッ!?」


「うわッ!?じゃねーよ!やっと起きたかクソガキ」

京は振り返り、倒れた鬼から鍵を取り上げる。


「これでキーは3つ…。」


ウルハは立ち上がり、京に近づく。


ウルハ

「愛海は?」


「愛海は捕まっちまった。」


ウルハ

「そんな…」


「大丈夫だ。必ずおっさんも愛海も牢屋らからだす」


京はかぎ爪についた血を振り払い、顔についた返り血を拭う。


「ウルハ。あとは俺とお前しかいないんだ。先を急ぐぞ。」


ウルハ

「うん…」

京の険しい顔にウルハは怖じけついていた。

京は歩きだし、その後ろをウルハがついていく。


京たちは螺旋階段の一番下までたどり着いた。

そしてその階の奥に一つ部屋があり、そこには数体の鬼が佇んでいた。


「……間違いねえ。あそこがゴールだ。」


ウルハ

「たくさん鬼がいるぞ。どうする?」


「……これ以上戦うのはキツイ。走って突破するしかねえ」


京たちが話していると、

突如、背後から鬼が4体襲ってきた!


「グオオオオオ!!!」


「何!?いつの間に!?」


京は襲い掛かってきた鬼をかぎ爪で切り払う!


ウルハ

「京!こっちからも来てるよ!?」


部屋の前にいた鬼たちが京たちの方へと近づいてくる!


「万事休すか!?」


鬼が京を捕まえようと突進してくる!

京はそれを咄嗟に避けて、さらに鬼の腰にかけられていたキーを手に取る!


「取った!!」


しかし、次々と鬼が京を襲い始め、京は鬼たちに足を掴まれてしまう!


ウルハ

「京!!」


「ウルハ!こいつをもって行け!!」


京はキー4本をウルハへ投げる!

ウルハはそれをキャッチする!


「行け!!あの部屋まで走れ!!!」


ウルハ

「!!」


ウルハは咄嗟に走り出した!部屋へ向かって!

京はすべてウルハに託したのだ。ウルハもそれに応えるように走り出した!


ウルハは次々と鬼たちを突破していく。そして奥にある部屋に入り、ひたすら走っていく!


ウルハ

(何だろう…前にもこんなことがあった気がする)

(そうだ……あの日もこうやって走れって言われて走ったんだ)

(あの時と…一緒だ)


ウルハは走りながら昔のことを思い出した。

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