君の「一生のお願い」リスト

(一部抜粋)


○冬の寒い日。

○雪が綺麗に積もった日。

○明け方。

○晴れの日。

○この公園の隅。

○桜の木のその近く。

○寒いから僕は手袋する。

○寒いから君にマフラーをする。

○やっぱり、と言わないこと。

‪✕‬泣かないこと。

○指切りをした左手の小指を貰う。

○小さな雪だるまを添える。

○手は合わさずに振ること。

○※ 笑顔で

‪✕‬出来るだけ早く忘れること。




「全部赦してあげる」

って。

君は言った。


それだけで僕は、もう

なんでも良かった。


二度と会えない、なんていう

僕の我儘なんか。


君と約束をした瞬間から、

何の意味も無くなった。


けれど。


「天国」なんて言われている場所を、

君に、最期、聴いておけば良かった。


雪の温度を覚えている。

君の声を忘れかけている。


疾うに冷たくなった欠片を、

少しだけ、齧った。




 

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