第39話 八王子ダンジョン(7)
【前書き】
説明回!
◇◆◇◆◇◆◇
――その後、何回か立て続けにアラートが鳴った。
探索者を救助したこともあったし、僕が到着したときにはすでに自力で罠を脱していることもあった。
今はひと段落ついたので、説明シーンの動画撮影を再開する。
まずは八王子ダンジョンについておさらいだ。
「上層に慣れて中層に行く前に、『八王子ダンジョンダンジョンに潜れ』と言われるのは、ここで罠に慣れておいた方がいいからです。理由はふたつあります」
配信端末に向かって2本指を立てる。
「ひとつ目は今、説明した通り、ここの罠は比較的安全だからです」
中指を折って――。
「そしてもうひとつですが――僕が受けた依頼に関係してます」
少し間を開ける。
「このダンジョンでは常に上級探索者が巡回して、罠にハマった探索者を救助する活動をしているからです。なので、よっぽどのことがなければ、死んだり重傷を負ったりすることはないです」
僕はこの依頼が始まった経緯を説明していく。
以前は八王子ダンジョンでの罠による事故率は他のダンジョンよりも遥かに多かったらしい。
命が助かっても、ワイルドモンキーになぶられたショックで引退してしまう者も多かった。
そこで上級探索者による巡回依頼が導入された。
それにより事故率が劇的に減少したのだ。
「――というわけで、今日はその巡回依頼を引き受けたわけです」
ふう。とひと息吐く。
「この依頼に役立ったのが昨日ゲットしたばかりの2つ。『ファストパス』と『ヒーローアラート』です」
ファストパスの説明は必要だろうか。
必要なかったら、後でカットすればいいか。
動画の概要欄で説明するって方法もあるしね。
「探索者協会の依頼は2種類あります。ひとつ目は指名依頼。一昨日の神保町ダンジョンでの
配信端末に向かってしっかりと頭を下げる。
ヒーロー配信を始めてからここまでトントン拍子にこれたのは、みんなのおかげだ。
本当に感謝してもしきれない。
「そして、ふたつ目が通常依頼で、これは早い者勝ちです。通常依頼は指定時間の12時間前から申し込みが出来ます。受けるための条件があったりしますが、誰でも受けられます。そして、『ファストパス』はその名の通り、優先的に依頼を受けられます。『ファストパス』の持ち主はそれより12時間前、つまり、依頼の1日前から依頼申し込みができます」
この依頼は結構人気なので、ファストパスがなかったら受けるのが大変だ。
「協会としても、同じ支払い額なら少しでも優秀な探索者に引き受けてもらいたいということでしょう」
人助けをしながら、報酬も貰え、動画も撮れる。
僕にとっては一粒で三度おいしい依頼だ。
「続いて、『ヒーローアラート』について説明します。その前に、まずはこちらから――」
依頼説明時に職員から受け取った通信機を映す。
「これは依頼受注時に協会から借りる通信機です」
探索者やダンジョン配信をよく観ている人なら知っている。
だけど、僕のチャンネルはバズったせいで、ダンジョン配信に馴染みがない視聴者も多い。
その人たちに向けて説明しておこう。
「先ほど説明しましたように、八王子ダンジョンは罠が多いダンジョンなので、協会がドローンを飛ばして常に監視しています。フィールド型ダンジョンならではですね」
ここでお話は一時中断。
配信端末を空に向け、ドローン来るのを待つ。
三分ほど待つと、ドローンが現れた。
「これがそのドローンです」
配信端末をドローンにフォーカスする。
「今回の依頼では、ドローンが発見した罠にハマった探索者の情報が協会に送られ、その情報をもとに依頼を受けた探索者に連絡が行く――それが普通の流れです」
ここで一拍。もったいつけるように間を取る。
「だけど、僕にはこれがあります――『ヒーローアラート』です」
配信端末にヒーローアラートをアップで映す。
「友人の助けるマンが協会が使っているガジェットをごにょごにょと改良してくれました。これがあれば探索者協会を経由せずにピンチを知ることが出来るので、それだけ早く現場に向かえます。以上がヒーローアラートの説明です。助けるマンが言うには、今後さらに改良していくらしいので、ご期待ください」
とりあえず、撮るべきものは撮り終えた。
後は探索者を助けつつ撮れ高を稼ぐだけ。
撮影を終えて、ひと息つこうと思ったところで――。
ヒーローアラートが光り、震え、音がする。
これは――。
通常の警報じゃない。
非常事態だ。
撮れ高だ。
俺は慌てて変身。
現場へと駆け出した――。
◇◆◇◆◇◆◇
【後書き】
次回――『八王子ダンジョン(8)』
いったい、なにが起こるんだ?
それは明日のまさキチが考えてくれる!
間に合わなかったらごめんなさいm(_ _)m
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本作品を一人でも多くの方に読んで頂きたいですので、ご協力いただければ幸いですm(_ _)m
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