第四章 とある詩人の答え 6
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それから一刻が過ぎて夕食時、細身な男がナムラにお願いをする。
「あの、厚でかましいことなのですが、どこか唄の練習ができる場所は在りませんか?」
「ん?客室ではまずいかの?」
「私達はこの道に誇りを持っているため。あまり、練習の音を他の方に聞かせたくないのです。」
「完成された唄を聞いてもらいたいですし、実は……練習中に聞かれて本番で聞いてもらえない事もありましたから……」
二人が体験談を交えた本音を話してきた。
「ふむ……確かに同じ唄を二度聞きたかる者は、少ないからのぅ……」
目を瞑り考えること数秒。
「では、離れがいいじゃろうな。
あまり人は寄りつかないから、静かじゃし、音を出しても気にならないだろう」
片目を開けて、『それで、どうでしょう?』と二人に確認をとる。
「「大丈夫です!ありがとうございます!」」
勢いよく頭を下げて、お礼を言った。
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それから、一時間ほど過ぎ二人は離れに連れられた。
「困った事がありましたら、遠慮なく言ってくださいね」
「「わかりました。ありがとうございます 」」
笑顔で二人に告げて、去っていくロキ(女性)の背中を見送りながら、お礼を言った。
「とりあえず……音会わせをしてから、一度通してみるか?」
「そうですね……もう一度読んで良いですか?」
「──?あぁ、良いけど……どうしたんだ?」
体格の良い男の真意がわからず、紙と一緒に問いかけた。
「う~ん?少し気になっていた部分が在りまして……」
言いながら、一ヶ所を指差した。
「ここです!ここが気になっていました!」
そこは、確かに違和感の元の部分だった。
「あぁー……!そこか……まだ仮付けなんだよ」
「仮付けだったんですね……!?」
「そこも含めて、修正していこうと、思ってる。
……だけどな、良い言葉が思い付かないんだよな……」
落胆しながら『勇者』と書かれている文字に目を落とす。
「勇者は、勇気持つ者って意味合いで付けてみたんだが、不釣り合いなんよな……」
落胆し、ため息をこぼしながら、細身な男は小さな声で呟いた。
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続く
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