15話・各話1分以内という制約の中で、フォッカ氏の想像力の振れ幅が一番よく分かる作品集だ。
「配信」はスマホ視点の一人称という仕掛けが1文目で分からず、最後の1行でひっくり返る構成で、星新一のショートショートを彷彿とさせる。「エレファントギャラクシー」はイライラしたゾウさんが地球を踏み潰して宇宙を漂い、干し草やキリンさんを失って泣くという絵本のような語り口に乗った破滅譚で、「ぱおぱおーん!」と泣きながら読む哀愁がある。フォッカ氏がアジアゾウの子象を自称する理由がここで微笑ましく腑に落ちる。
全15話、コメディあり、シュールあり、ほんのり怖いものあり、と雑多な構成だが、それがかえってショートショートらしい。各話が独立しているので好きな話から読めるのも良い。
「カニ味噌の災難」や「椿色の弾丸と記憶」の長めの作品を読んだ後に、箸休めとして開くのがちょうどいい一冊だ。電車の待ち時間という作者のキャッチコピーは、正確すぎるほど正確だ。