この台詞集には、六人の男性がそれぞれ意中の女性に向けて放つ、甘く情熱的な言葉が詰め込まれています。同じ「愛」を語るのに、これほど個性が際立つものなのか。ページをめくるたびに胸が高鳴ります。
ある者は堂々と、ある者は純粋に、またある者は永遠の誓いを交わすように――。どの言葉にもそれぞれの生き方や価値観が色濃く滲み、言葉の重みとなって響いてきます。甘美な囁きの中に潜む独占欲や、不器用ながらも真摯な愛情が、まるで恋物語のワンシーンを切り取ったように美しく描かれています。
台詞の構成も印象的です。短く切り取られた言葉が一つひとつの情景を浮かび上がらせ、まるで彼らの声が耳元で響いてくるよう。台詞だけでこれほどまでにキャラクターの性格が伝わってくるのは、巧みな表現のなせる技でしょう。
それぞれの愛の形に、誰がどんな想いを込めているのか――想像を巡らせるのもまた楽しい。この台詞の数々は、きっと読む人の心に、特別な言葉として刻まれるはずです。
僕はこの作品を読んで、「すごい」って思った。
日々、僕が物語を書く上で表現出来る領域というのは、とても狭いと思っています。様々なジャンルをいくら越えても、僕が書けるものは限られたもので、それは何も書けていないに等しいかもしれないと考えてます
僕は日々、そんな絶望とジレンマを抱えて何かを探し続けています。
そんな時にこの作品と出会いました。
ここで行われている事はとてもシンプルです。無邪気とも言える楽しさに溢れています。だからこそ、その「かけがえのない言葉」に思わず心を奪われました。
小説を書くと言う事は、この「かけがえのない言葉」を探す作業なのだと思います。僕はそれを単純に「届く言葉」と考えています。何かを書いた時に、難解であろうと、単純であろうと、読者様に「届く事」が最も重要だと思うのです。
僕はこの作品で、とても無邪気で素敵で可愛くて楽しくてカッコよくて優しい、そんな言葉達に出会いました。
こういう言葉を語りかけてくれる筆者様に感謝を込めつつ、まだお読みでない読者様に精一杯お勧めさせて頂きます。
素敵な言葉に出逢えるのって、とても素敵な事だと僕は思うのです( ;∀;)
宜しくお願い致します。