水の魔女
水は留まると淀み腐るもの。
そして人は大半が水で出来ている。
故に旅をするのだよ、と。
もう足取りも覚束無い年齢で、尚も旅を続けようとする魔女を留めようとした私に魔女は言った。
「けれどね」
と、魔女は続けて言う。
「お前はきっと、大丈夫だ」
思考することを留めないお前なら、大丈夫だ。
私を見上げ笑った魔女の、歯は全て抜け落ちていたけれども、その目は水面のようにきらきらと輝いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます