付き合っていない清楚系美少女がなぜか俺にだけ甘えてくるSS
柊なのは
SS
SS1 ハロウィン
10月31日。放課後、瑞季とハロウィンパーティーをすることになり俺の家に彼女が来た。
「とっ、トリック・オア・トリート! お菓子くれないとイタズラしちゃいます」
会ってそうそう可愛らしい言葉と服装で登場した瑞季を見て俺はフリーズした。
仮装してくるとは聞いたが、魔女の衣装似合いすぎだろ。
一応、説明しておくと、瑞季はここに来るまで魔女の衣装で来たわけではない。上に羽織るものを着てきた。さすがに町中でこの格好で歩くのは恥ずかしい。
見る度に口元がゆるゆるになりそうで、俺は口元を抑える。
「どうですか? 似合ってますか?」
「……凄い、似合ってる。可愛い魔女の瑞季にならイタズラされたい」
おそらく瑞季のイタズラは可愛らしいものだろうと思い、そう言うと彼女は困った表情をした。
「さ、されたいのですか?」
「まぁ、うん……家にお菓子はあるけど」
「お菓子があるのにイタズラされたいとは……本当にイタズラしても良いのですか?」
「いいよ」
「……では嫌がってもやめませんからね?」
瑞季はそう言うと人差し指で俺の頬をふにふにとしてきた。
「私、碧くんの頬好きなんです」
「頬が好きってあんまり聞かないけど……」
「あっ、間違えました。碧くんのもふもふの髪も温かい手も全部好きです」
「…………」
「い、今の発言はなかったことに……」
自分で言って恥ずかしくなったからか瑞季はさっきの言葉を撤回しようとする。
嬉しいからなかったことにしなくていいのにな……。
「俺も全部好きだよ」
「! や、やっぱり撤回はなしにします。大好きは隠さなくていいものですし」
そう言って瑞季は俺の体に手を回してぎゅっと抱きしめた。
俺も彼女の体に手を回し、自分の方へ彼女の体を寄せるとリビングから足音がし、母さんの声が聞こえた。
「あら、ごめんなさいね」
お邪魔してごめんねと謝ると母さんはリビングへと戻っていく。
「「…………」」
「あ、碧くん、ハロウィンパーティー、始めませんか?」
「だな」
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