第8話 ニール・ツィア・マルクべ。日記

セシリアは、12歳の頃に母の借金の身代わりとしてスエル・ドバードの酒場ボルカに売られ、最初は優しく接してくれた店主ニズルも直様その本性を現し、奴隷のようにニズルの手足として働かされ、身を削るようにして生きていた。


そんな彼女が16歳を迎えようとした時、ニズルは夜食の際にある提案を出した。


「なあセシリアよ? お前のその沢山ある借金をだな...


少しでも減らす為にだな...新しいもう一つ仕事を増やしてみる気はないか?」


「...」


「..なあに、難しいことじゃない? ..お前だったら..


きっとうまくいく。直ぐに人気者じゃ? ハハハ」


「...」


「なぁぁセシリア? ...お前の..その姿をだな..えれぇ気に入っている者たちが..沢山おるんだよ?


なあ? ..借金も減らしたいじゃろ?


..セシリアよ?


おめえも..そろそろ...いい歳だ..なぁ...うん?」


「...」


それは、この町の荒くれ者やアルダ・ラズムの兵士たちの夜の相手をする事だ。


店主ニズルは、例えセシリアから返事が無くともそんな彼女の側に寄り、肘掛けから今にもズレ落ちそうなセシリアの左手を優しく掴む。


ニズルは彼女に出会ってからいつだって、そうしてきたのだから...


最初からそのつもりだったのだ。


────

──


16歳になった夜、ニズルから三階にある寝室で待っているようにと言われ、私はそうした。いつもなら二階の隅にある小部屋が私の寝床であったから、少々面倒くさく思ってた。


朝から雑用で疲れてもいたからね。


まあ..毎日だけどね?


そこで考え事もせずにベッドに横になって待っていると急に寝室の戸が開いて、その隙間からニズルが変な顔をして入って来た。


片手に何か持たれている。


ニズルは、私に着ている衣服を脱ぐようにと言ってそのニズルも自分の服を脱ぎ始めた。


私が..


「予約している客は明後日の夜と聞いたけど...」


と言えばニズルは、いいから早く脱げといつもの調子で返してきた。


「..なぁあに...弄るだけだから..心配するな?」


..と付け加えて。


ベッドの上で横になる私の身体をぎょろっとした目つきで眺めては、ペタペタとシワシワの手で触ったり、嗅いだりして..


ほぉぉ、ほぉぉ...と唸る姿は、まるで観賞用の人形か何かで遊んでいるように見えた。



「..以前から客や兵士たちからさんざん言わられておったが...こりゃ酒場の名物商品になるな...なあ? ..セシリア」



そう言いながら私の左の乳房を揉んでもう片方に舌を這わせ吸ったりするニズルの顔に目がいくと直ぐ、寝室にあるベッドから離れた窓が映った。


..私は、一瞬で目を逸したんだ。


ニズルが両手で私の股を開こうして、それに逆らおうと股を締めると太ももを叩かれ、私はもう叩かれたくないと思ったのだろう..


自然に身を任せるようして力を抜いた。


「そうじゃ..そうじゃ、そうしてればええんじゃ...」


ニズルの嬉しいそうな声のあと、私は股の内側に何度も転がる冷たい感触を感じ、それが何なのか気になり始めた。


瞬きする私の目がゆっくり、別のもの見るように下半身に行くと...


私の股の内側で行ったり来たりする物は、


それは先が丸くなった小さい木の棒だった。


ニズルが、その丸い木の棒を転がして遊んでいたの..


私は、その瞬きする目を天井に向けた。


さあ目を瞑りましょう...

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